第24話 学園の一日 後
「ユーリ。僕のお肉あげようか?」
「え? ミルトはもっといっぱい食べなさい。体を大きくしないと」
「僕もう食べられないよぉ。おねがい!」
「仕方ないなぁ」
「なっ!!!!!! ずるいぞユーリ! ミルト! 私にもくれ!」
「エレンはトールからもらってたよね?」
「も、貰ってなんかないぞ? 幻覚だ幻覚! なっ? トール」
「そうだな。ってそんな訳あるかぁ!!!!! 許さんぞ? エレン!」
「なんだよ? トール。怒んなって、ってあひゃひゃひゃ! こしょばいって! やめろぉぉ!!」「観念しろぉぉぉぉ!!」
「はい、ユーリ」
「ありがとうっ!」
あ、トールが反撃してる。ざまみろエレン! 食の恨みというのは深いものだ。
ミルトは何というか、僕たちのグループの第2アイドルかな? 一番はセシリアだよ、勿論。僕と同性、つまりは男だ。黒髪でおかっぱだ! 身長も低くて、トールと並ぶと親子レベルだ。女性のように線が細くて可愛い。でも、可愛いっていうと怒るから、せいぜい撫でるぐらいだ。本人は立派な男だと思ってるところもまた可愛い所だ。そんな見た目に反して、戦えるからびっくりしたもんだ。
◆
名 前:ミルト
性 格:おっとり、負けず嫌い
スキル:【弓聖】【商才】
演説力:85
人 望:85
武 勇:79
政 治:70
◆
見た目に反してやる子だ。スキルがまず凄い。【弓聖】という聖を持つものはこの世には少ない。それこそ、今まで見た中ではお父さんとレオ兄ぐらいだ。それぐらい凄いと言ったら分かるだろう。でも、その割に武勇が低いのは接近戦が強くないからだ。でも、遠距離では敵なしといった所だ。長弓をメイン武器としていて、有効射程距離が150mだが、その距離では命中率は100%だ。しかも、最大射程距離でも狙ったところに放つことができるため、戦の常識が大きく変わることとなる。でも、近距離で戦えないのがネックだ。そして、【商才】は親の影響だ。親は商人で、ミレネー商国出身らしい。でも、こっちで商売を始めて今は中々のものらしい。主に、物の価値とかが分かる、商談をうまく運べるようになる、などらしい。凄いね。
僕が絡んでるこの五人は基本的にキャラが濃い。いや、エルドはあまり主張はしてこないなぁ。でも、何か抱えてるかもしれないからその時はしっかりと相談に乗ってあげよう。
「ほら、早く食べよう! もうすぐ授業はじまっちゃうよ」
「そうだね。ユーリ君! ほら! エレン! 遊んでないで早く食べ終えて!」
「そ、れ、は、トールに言ってくれぇぇぇぇ!」
「仕方がないね。やめてあげよう」
「おお。助かった。あむっ。うまい!」
「エレン。がんばってね」
「おう! ありがとうなミルト!」
「はぁ、ほんとにエレンは……」
「なんだエルド? 何か文句あるのか~?」
「「「「「早く食べて!」」」」」
一番世話が焼けるのはエレンかもしれない。お前一応割と位の高い貴族だろ。しっかりしてくれ。本当に。
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