第18話 入学祝

 今日は入学試験の結果が分かる日だ。結果の通知は家に書面で届けられることになっている。


「ユーリ様!! 学園からの書類が届きました!」


 この声はミリアか。


「入ってくれ!」


「はい!」


 ミリアが書類を持ってきた。なんだか封筒が分厚いな? ということは……?


「開けてみてください!」


 恐る恐る封をナイフを用いて丁寧に切る。


 慎重に書類を取り出す。


 真っ先に見えたのが合格という文字だった


「やったぞ!! ミリア!! 合格だ!」


「やりましたね! ユーリ様なら大丈夫だと思っていました!」


 王族が試験に落ちたなんてことになればまずいから、受かってよかった。早速今日の昼食の時に報告だな。



「食べ始める前に僕から報告があります!」


「お? なんだ?」


 エミィ以外は何の報告なのかは気づいているようで、ニヤニヤしている。


「学園の中等部に合格いたしました!」


「「「おめでとー!」」」「おめでとーございます! おにーさま」


「ありがとうございます!」


「勿論、代表挨拶もするんだろう?」


 確かそんなことをお願いする書類も入っていたな。


「はい! 確かレオ兄もやりましたよね?」


 あの時はカッコよかったな。まさに王太子って感じのオーラが出てた。終わった後には割れんばかりの拍手だったのを覚えている。レオ兄レベルの演説ができるか心配だな。


「おう! 今年は在校生代表として挨拶をする予定だ。ユーリと同じだな! ハハハッ。」


「レオ兄みたいにやれるか心配だよ」


「大丈夫だ! 俺でさえも原稿は自分自身で書けたんだから。ユーリは俺よりできるだろ? 心のこもった演説ってのは必ず成功するもんだ」


「そうだぞ。ここ一番! ってとこの演説は自分自身で考えなきゃ意味がない。お父さんはいつもそうしているぞ?」


「むぅ。分かりました。できるだけ自分で取り組んでみようと思います。でも、分からないところがあればバンバン聞きますからね!」


「「おう!いいぞ!」」


 よかったぁ。これで挨拶は何とかなりそうだ。


「それで、入学式は父上も見に来る予定なんですか?」


「今の所は見に行く予定だ。レオルグもユーリも挨拶するわけだからな。どうせなら俺も国王からの挨拶をするか?」


「それはやばくないですか? ねぇ、レオ兄」


「いや、面白くていいと思うぞ。王族が3人も登壇する入学式ってなんか面白くないか?」


「お? レオルグはそう思ってくれるか。ユーリ。多数決でお前の負けだ」


「はぁ。分かりました。じゃあ、僕が何かミスっても尻ぬぐいはお願いしますね」


「「おう!」」


 2人が同時にサムズアップしてきた。マジで兄弟なんじゃないかってぐらいのシンクロ率だ。レオ兄は完全に父上似だな。


 でも、挨拶かぁ。前世では絶対に立つことなんてないと思ってたなぁ。不安な反面楽しみだ!

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