第十一話 ご飯の挨拶

「さ、出来たよ。」

そう言って出したのは、決めていた通りのカレー。

リラは案の定目をさらにキラキラさせてカレーを見つめている。

まるで手品でも見たかのようなキラキラっぷりだ。

これは作った甲斐があったというものだ。

早く食べたいとリラが目線で訴えかけてくるので、僕はエプロンを脱いで椅子に座った。

「いただきます。」

僕がそう言うと、リラはキョトンとした顔をした。

そういえば、リラは戦いのこと以外は覚えてないんだったな。

「ご飯を食べる前には、いただきますっ言うんだよ。」

僕がそう教えると、リラも僕の真似をして、

「…いただきます。」

といった。リラは本当に美味しそうに食べてくれた。

思い返してみれば、こっちに来て以来、誰かに自分の作ったものを食べてもらうのは初めてだったなぁと思った。

こんなに喜んでもらって、僕はとても嬉しく思った。

「ごちそうさま。」

僕がそういうと、またリラはキョトンとした顔をしている。

「さっきと同じで、食べ終わったらごちそうさまって言うんだよ。」

僕がまたそう教えると、リラはまた真似をして、

「…ごちそうさま。」

と言った。

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