閑話 俺に問う幸せとは
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虚変熱王蟲フェリス視点
俺の意識はずっと揺蕩っていた。
自分が自分でなくなるような気がした。
怖い、怖い、怖い怖い怖い!!!俺が消えるのが嫌だった。
幸せを願い続けていた。もう来るはずのない未来を希望を幸福を願い続けていた。
わかっている。
願っているだけでは、何も変わらない。自分から動かなければ、変わらない。そんなこと知っている。
でも、怖いんだ。
親や友が死んだのは俺の我儘だった。
大した力もないくせに王子だからって威張って、あれが欲しいだの、水をくれだの、迷惑を掛け捲った。
そして、皆を失った時に気付いた。
なんと無力で馬鹿なのだろうか、と。
俺個人の幸せのためだけに周りを巻き込んで、自分だけ助かった。まさに、俺だけの幸せだった。
本当はそんなこと望んでいなかった。
小さかった頃から変わっていない、俺の夢。
幸せを掴む、その幸せを皆に届けるんだ。
その目標を何時、願望に変えてしまったのだろうか。
こんな無垢で美しい誓いを何故汚してしまったのだろう。俺はなんて滑稽なのだろうか。
なら、後悔しない生き方に変えよう。と、思った。
しかし、変えることができなかった。虚勢を張り、進歩しない俺。
ある日、俺を変える出来事が起こった。
その結果、俺の意識は消えかかっている。
今も俺の意志関係なく暴れまわっている。今日の相手は
彼?を見ていると自分が惨めになっていった。
なんでそんなに楽しそうなのか?なんで自由に生きていけるのか?なんで俺とはお前は違うのか?
醜い嫉妬心が湧き出てくる。自分でも吐き気を催すほどの感情だった。
俺は喜びに満ちていた。何故?それはそいつが活躍している姿を見たくなかったからだ。
酷く低俗で幼稚な喜びだった。自分の事から逃げて、他人の不幸を喜ぶ。俺はそこまで落ちぶれてしまっていた。
心が痛む。こんな自分を変えたい。でも、願うことしかできなかった。
「何故、楽しまない!」
何を言っている?もう俺には楽しむことなんてないのに。
「生きることを謳歌しない!」
生きたいさ!でも、もう死にたい。自分を蔑むのは疲れたんだよ。でも、消えたくないんだよ。矛盾している俺のことが嫌いなんだよ。生きたい、死にたい。なあ、どっちが本当の気持ちなんだろうか。
「お前の願いは何だ!」
俺の願い?そんなの決まっているだろ!
俺自身が幸せを掴む、その幸せを皆に届けることだ。
でも、無理なんだよ。失敗するのが怖い。怖くて、虚勢を張ることしかできない。嗚呼、なんて惨めなのだろう。
「自分を解放しろッ!!!」
解放したら何になるんだ?
ありのままの自分でいろ!ということなのか?
でも、俺は自分のことがわからない。どうすればいい?
「フェリス、お前はお前なのだからッ!!!」
俺は俺。
......そうか。俺の本能に従えばいいのか。自分の思う心のままに生きればいいのか。
それでも、間違えてしまうことに恐怖を感じてしまう。
どうすればいいのだろうか?
「フェリスは幸せを望んでるんじゃないのか!?」
その通りだ。幸せを俺は掴んで、皆に届けたい!
「なら、機械的?違うだろッ!恣意的に生きろよッ!!!」
自分勝手でもいいのか?周りに迷惑が掛かってしまう。
何をすれば、俺を変えれる?
「欲望に狂気に自分に忠実になれよッ!フェリス!!!」
欲望、狂気、自分、か。
俺は、もう後悔したくない。
やらないで後悔するより、やって後悔したい。
俺は幸福をこの手で掴む。その為に生たい。
なんだ、こんなにも簡単なことだったのか。
俺は俺だ!俺の成したいことの為に生きる蟲の王だ。
《烈光焦熱砲》を放とうとする体を止めようとする。
しかし、止まらない。《機械意志》は頑固なようでなかなかその座を譲ってくれない。
止まらないなら、防げばいいのか。あの人と俺は会話がしたいんだ!
この体は俺のものだ!
尾よ!動け!俺のものだろッ!俺の掴みたい幸福のために動けよ!
[虚変熱王蟲フェリスの【
[三種の感情が融合しました。【
[【
[自我を取り戻した影響により、《■■■の呪い》の解呪並びに《機械意志》が消失しました]
[パッシップスキル《鋼の意志》の獲得に成功しました]
[称号【■■■に打ち勝った者】の獲得に成功しました]
動け、動け動け動け、動けェェエ!!!
後書き
フェリスのスキル
《炎氷纏》
炎と氷を体に纏う。触れた相手は15%で《状態異常:火傷Ⅱ》《状態異常:凍結Ⅱ》を付与する。
《熱変動無効》
温度の変化による効果は効かないよ。
《破壊力強化Ⅱ》《火力倍増》《攻撃力強化Ⅱ》《威力強化Ⅱ》
脳筋御用達のスキル。ダメージを上げまくる。
《王の威圧》
半径5m以内に近づいた者に一分ごとに15%で《状態異常:恐怖I》《状態異常:魅了I》《状態異常:萎縮I》のどれか一つを付与する。
《対生命体強化I》
生命体と戦う時、ステータスアップ。
《機械意志》
機械のような意志になる。プログラミングされたことしかできない。
《幸福は我が手に》
LUKが777になる。
フェリスが幸福を掴むために乗り越えなければいけない事象があった時、ステータスを倍増させる。
《鋼の意志》
状態異常が効かなくなりやすくなる。
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