焼き鳥が登場する物語

影神

愛嬌



「世知辛いね、、」



「にゃあ、、」




俺は、今日も屋台を引く。



今じゃこうゆうのも珍しいだろ。




重いし。



俺の身体と同じで。



あちこちにガタが来てるが。




俺にはコイツがお似合いだ。




時代と共に。



色んなモノが変わっちまう。




けど、、




この屋台と。



俺の腕だけは変わらねえ。




まあ、生きてるうちは、、



だけどな?




「にゃあ。」




お客さん「モモと、皮とつくね。



それから、、ぼんじり。」



「あいよ!




わりいけど時間かかるから。



ちょっと待っててくれ!」



お客さん「じゃあ。



買い物でもしてくるかね。」



「それが良いよ」



お客さん「お願いね」



「あいよ!」




夕方になると、それなりに忙しくなる。



主婦や会社帰りのサラリーマン。



学校帰りの学生まで。



客層は、様々だ。




今は、地元のスーパーの前で営業。



夜は、橋の下で営業。




屋根が無いから。



屋根がある所でしか営業は出来ねえ。




朝から雨が降れば、休み。



そんな時は家でゆっくりする。




利益なんてモノは、たいして。



ありゃあしないのだけども。



ここで、こうして。



いろんなのと出会うのも。




嫌いじゃあ、ない。




お客さん2「おやっさん。




ビール。」



「呑みすぎんなよ?」



お客さん2「あい、、」




「にゃあ、、」



お客さん2「あらら。



いらっしゃったかい、、」



「ちょっと待ってな。」




うちの夜の常連客。



近所の野良猫だろうか。




いや。



立派な、看板猫か。




味を占めたのか、匂いに連れて貰いに来る。




俺は、犬はきれえだが。



猫は好きだ。




自由気ままで。



愛嬌がある。




俺と似てるのかもな。



猫「にゃあ。」



んな訳ねえってか?




お客さん2「それにしても。



よく懐いてるね?」



「餌やりゃあな。




ほれっ。」



用意しておいた焼き鳥を。



軽く手でちぎって、食べやすくする。




猫用の皿に移し、地面に置く。



「ちゃんといただきますしろよ?」



猫「にゃあ。」



鼻を近付けながら、大丈夫か確認して。



ゆっくりと食べる。




こいつは、旨そうに食う。



そこも良い。




お客さん2「おうおう。



食いっぷりがいいね!!




俺も、ねぎま!」



「あいよ。」




招き猫。



「なんて。



な、、」




今じゃ。こうやって。



野良猫に餌をやる事も何かと文句を言われる。




殖えるから。とか。



頭のイカれた野郎が。



虐待するから。とか。




いろいろ理由はあるんだろうけど。




同じ人間が。



わざわざ捨てたんだから。



同じ人間が。



その尻拭いをするのも、また。




"当然"




それが。



命ある者ならば尚更。



なんだが、、




それが。



普通じゃあ、なくなった。




昔よりも。



近所付き合い自体が減り。



地域が一体になって。



なんて、モノはとっくに無くなって。




やる事成す事全てに無関心。



誰も怒らなくなったと思えば。




インターネットとかゆうやつでは、



他人の悪口や嫌みを言う様になったそうだ。




これは、便利を取った罰。



とでも言うべきか。




「あいよ。」



お客さん2「いただ、、




にゃおん。」



「お前さんは、人間だろうが笑」



お客さん2「あはは笑



呑みすぎたかな」



「そろそろ帰りな。」



お客さん2「んんっ。



お勘定。」



「1500円ね。」



お客さん2「こまけえのねえや、、




2000円で。



釣りは猫のご飯代で。」



こうやって、自分稼げるもんな。




「良かったな。」



猫「にゃお。」



「また来てくれ。」




お客さん2「ご馳走様。」



「気を付けてな」



猫「にゃあん、、」



お見送りと、お礼も言えちゃう。




たいしたもんだ。




屋台には、募金箱がある。




猫の餌代。




そう、書かれた紙に。



お釣りを入れてくれる人達も居る。




チャリン、、




そんな人にはたまにサービスをする。



「一本まけといたよ。」



お客さん3「いつも悪いね?




早く、飼い主が見付かると良いね。」



「そうだな。




毎度!!」




世の中は助け合い。




皆。



誰しもが。




一人では。




生きていないのだから、、




猫「にゃあ」
























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焼き鳥が登場する物語 影神 @kagegami

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