【KAC20226】わたしが考える焼き鳥物語

竹神チエ

物語は書けねぇって。

 ある日のことです。


 一羽のトリが物語を書こうと苦労していました。


 うーん、うんうん。

 何にも思いつかないなあ。


 それでもトリさんは、狂乱の宴に参加したくて、何か書こうとがんばっているのです。


 そうだっ。


 トリさんはひらめきました。


 二刀流の88歳のおじいさんが、第六感のおみちびきにより、ずっとファンだったコメディ俳優を推し活する旅に出る話にしよう。


 そして、旅の途中で腹ペコになったところ、通りすがりの鳥が「わたしを焼いてお食べなさい」と気前よく言う物語にしよう!


 トリさんは、いっしょうけんめい書きました。

 でも2行で終わってしまいました。600字ありません。


 困ったなあ。トリさんはあたまを抱えます。

 600字書かないといけないのです。そうしないと宴には参加できません。


 だからトリさんは歌うことにしました。


 らんららんらー。


 春ですよぅ。ぽかぽかよぅ。

 花粉もドバドバ、はっくしょんぅ~。


 かえるもキュルキュル鳴いてますぅ~。

 つくしもニョキニョキ生えてますぅ~。


 トリも鳴きます、カックヨッムぅ~♪


 ……まだ440字でした。


 でもトリはもう限界でした。


 そしてT子さんも限界なのです。

 

 KAC2022 ~カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022~

 第6回目のお題は『焼き鳥が登場する物語』でした。


 書けるかあっ。


 だから、T子さんは上記↑のようなものを書きました。


 そして600字を超えたので、文字を打つことをやめ、公開してやることにしたそうです。人間、開き直ると怖いですね。

 

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