微妙なる心

微妙なる心よ 矛盾する

互いの心が似ていても、矛盾する

葛藤の書を書き、もがき苦しみ

果てしない自分の苦悩を養っている

惨めな思いも、儚い思いも

一編の詩には敵わない 容赦ない雨だ

美しい詩編に心を寄せるように、お前を愛していた

私は詩人だから、心の微妙な動きを察知するのだ

綺麗事言ったって、何を言ったって、私は私だ

自我が自我だと言ったフィヒテはある意味正しい

極性の魂を持つと、辛苦に襲われる

この苦しみがいつまで続くというのか

いつまで続けばいいのだ

忘れたい、お前を忘れたい

まるで呪詛のようだ。相反する魂の行方が分からない

川に流れていく魂の行方が分からない

怖ろしい病に罹っている

お前の微妙な言葉を聞いていると、葛藤に襲われる

お前が悪人だったら、忘れられる自信がある

文芸という狂気に身を置いたって

畢竟人間は孤独に生き、孤独に死ぬ運命だ

ラテン文学を読み漁り、チェスに没頭している時間

絶え間ない時間の移ろいが私にとって過酷だ

忘却の川に沈みたい

そこで死ねたら楽だろうな

自殺は贅沢だ。自殺は贅沢だ。

そう言って死んだばあちゃんを思いだす

雨が降っては枯れていく薔薇を見つめ

潤いのある薔薇を見つめ、偶然の詩に身を寄せ

お前の唇を思い出す

私に知性が宿ればいいのに

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