アンニュイ

散り散りになるこの思い

憂愁とともに生きた日々の糧

容赦ない悪意から免れて

やってきた部屋

そこには純粋な女がひとり

ぼくを受け入れ

ぼくを乱し

ぼくを拒絶する、たまに

降りしきる雨の中

疲れた肩をおろし

一瞬の輝きもおろそかにしない

つらつらと文章を連ね

半獣神がうたたねしている

ぼくは奇妙だと感じる

君に魂があることが肉体があることが

ぼくは詩を書くことしかできないから

君を魅了するほどの力はないけれど

ときおりひょろひょろと精子が流れ出て

電車の中で肩をあずける東京の女を思い出す

君は?

君は?


不思議な出来事をつらねて

霊感に打たれた魂を宿し

ポエットリーリーディングに天使がまぎれこむ

文字盤に心を打たれ

詩に恋をし

ヴェルレーヌの雨を浴びている

君は? 「ねえどうしたい?」


艶美なるぼくの男根が

淫らな君の服装に欲情し

フランスの歌手を思う

シャンソンを歌う君は極上の酒の泡

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