結界師の一輪華

クレハ/角川文庫 キャラクター文芸

『結界師の一輪華』

プロローグ

 日本にはごく一部の者だけが知ることを許された国家機密があった。

 この島国ははるか遠い昔より五つの柱石によって支えられているということ。

 もし、五つの内一つでも失われたら、日本は災厄に見舞われてしまうだろう。

 そんな命綱とも言える柱石は、それぞれ五つの家によって護られていた。

 いちみやじよういんさんこうろうかどよう、その五つの術者の家系である。

 この五つの家は不思議な力により、その柱石に結界を張り、遥か昔よりこの国を外敵から護ってきた。

 外敵には様々なものがいる。

 まずは人間。しかし人間ならば普通の人間にも対処は可能だ。

 けれど、柱石を狙ってくる者には人間ではない、人ならざる者達も含まれていた。

 それらの者達を、術者はようと呼んでいる。

 妖魔は柱石の持つ、国すら支える大きな力を得んとし、常に柱石を狙っているのだ。

 そんな者達から護るために柱石に結界を張り、人ならざる悪意ある者を封じ、または滅ぼすのが、五家とその分家に課せられた使命である。

 これはほんのひと握りの者しか知らない世のお話。

 そして、これはそんな術者の家系に生まれてしまったとある少女のお話。

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