大学生

「きゃぁ~~~!きゃあ~~~!きゃあ~~~!」


 ゆかりは、小躍りして・・・いや。

 半狂乱になって喜んだ。


 バイトとして家政婦に行くことになった先が、小説家と聞いたのだ。


 そして・・・


 どうやら、その作家はゆかりが長年ファンである作家のようなのであった。


 なんて偶然・・・まさに奇跡である。


 ふと、鏡に映る自分が目に入った。


 黒髪をおさげにした眼鏡をかけた少女。

 女子大の文学部に通う、目立たない女の子。

 どう見ても、地味であか抜けていない。


 ゆかりは、あらためて自分の姿を見て愕然となった。


「これ・・・これは駄目・・・」


 今すぐ美容院に行こう。

 そして、そのあとすぐに洋服を買いに行こう。


 先生には、少しでも魅力的な女性に見えるようにならなくては。



 舞い上がった、ゆかりはあわてて出かけるのであった。

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