第2話 邂逅B

(奴ら気づいたよ。こっち来る。)

ありすは射線が切れ自己プロテクションが取れる位置へ行き、ガンケースから装具を取り出した。まずはチェストリグを着け、弾倉をリグに収納すると、イヤーマフを着け、URG-1仕様にカスタムされたm4を素早く出し槓杆を引き弾を薬室に送り込んで。

(みうカバーする。この位置へ!)

((タン タタタタン タタン))

敵は薄暗くて見えないが、小銃を使ってる。

みうも装具と銃を取り準備を終えると。

応戦に加わった。

(あれ?って軍の車両だよね,)


〜〜〜〜


(HQ.アタッカー到着。1935、戦闘に入る送れ。)

(HQ了)

(着くぞ。下車!)

(下車!!)

入元が指揮し、地上を抑えたら貨物船を取るという指示だった。

(敵は20名前後ガンライン揃えろ!撃て撃て!!))

車輌から降りた出動チームは横隊に展開。大型クレーンが並び少女と交戦中の数名がこちらに気づいた。

複数のパシュパシュと、サイレンサー着きの小銃の銃声が多重に重なり、敵を1000ルーメン近いウェポンライトが、ガバッガバッと照らされ、素早く丁寧にテロリストに弾を打ち込んだ。

敵は焦っているのか、小銃を連射し狙っておらず、外れた弾が甲高い音を立て近くを飛翔する。


そして、最左翼に着いていた俺含む4名に少女らのカバーとエスコートの為、分配の指示がヘッドセットから聞こえた。

(沢村。お前以下4名で学生の援護とエスコートにつけ、)


(了解)左翼4名抜ける!カバー)

(左翼は引き継ぐ)

と俺の隣を歩く林田3曹が継いで無声指揮でセルを組み前進。

主力と別れコンテナ群を進んでく、 ポイントマンが異変を察知してコンテナ群とコンテナ群の狭間の手前で停止し、ちょうど敵の横っ腹だと言う。

ウイングマンを先に出しポイントマンを押し出し、クレーンが立ち並ぶ船着場へ向け左右2列から銃撃し、2名程度に減っていた敵を制圧。

(セーフティ!撃ち方やめ!敵制圧、コンテナを抑える。)

同時にヘッドセットから入元からチームに号令があった。

(おい。あれ例の高校生じゃないか、)

見つけた!と分配組が声を発した。


(沢村00、学生とコンタクト。グリーンエリアまで下がります。)

~~~~

(さすが。軍の人ら制圧まで2分かかってないよ。)

(だね。軍の人が来たよ。)


チームは主力チームの反対側に当たる場所に出て来た。

(君ら2人だけか?)

全周警戒しながらスタックを進め学生と接触合流。

(はい。2人です。)

(武装をしてるって事は心得があるってことだな。)

((はい!))

(安全な場所まで下げて俺らは君達のエスコートに着く。それでスタックで入ってもらう、大丈夫かな。)


2人は頷いて、タクティカルリロードして準備を整えた。

(君たちの名前聞いてもいいかな。)


(入元 美羽です。)

(私は椿坂 ありすです。)

学生の1人はスタックの4名は一瞬凍りつく名字だった。

(入元さんと椿坂さんね、俺は沢村 湊。

他の隊員は保全上名は伏せさせてもらう。よろしくね。)

2人はよろしくお願いしますと会釈した。

と名乗ったはいいが。

チームメンバーとアイコンタクトで2人とも負傷させてはならないが1人は特に要注意だと共感した。


(00.40前進開始)

(了解。こっちもコンテナは抑えた。)


主力チームの方から車輌の止まる場所へ向かった。

(入元さん、お父さんお仕事何してるの?)

(軍人、沢村さんと同じ部隊にいるはずですよ。

ほらあそこ。今日まで対テロ初動についてるって言ってたので。

……一緒に歩いてた椿坂を抜く4名は先程の疑惑が本当だったんだと思った。

(おい、あれ俺の子供やねーか。おい。お前後で話し聞かせろ。分かったな?)

周囲の隊員は硬かった雰囲気を崩し苦笑いしていた。

と、気づいた入元2曹が声をあげた。

当の本人はあちゃーと言った感じであった。

〜〜

(アタッカーHQ 新たなる敵情。敵増援が向かっているとの情報、敵はアジア解放戦線。SUV×2、バン×1、20名程度の人員と予想される送れ)

(アタッカー了)

車輌が止まる位置に戻った時、敵の増援を知らせる無線が流れた。

入元が返答し、コンテナを防護する組と敵増援を制圧する組に別れると無線で指示した。


その瞬間、椿坂の後方に位置するコンテナの影に人影が映り、椿坂ははっと拳銃を抜こうとするも遅かった。

彼女との位置関係は3mほど離れ、彼女の斜め前にいる。

射線も通っていた事で、咄嗟に彼女をリカバリーすべく、斜めに銃を振り上げインスティンクト《本能、感覚的な射撃》で射撃、2発目は銃を縦に起こし照準サイトし敵の頭に撃ちこんだ。

(大丈夫か椿坂さん。)

(あ、ありがとうございます。助かりました。)

(ナイスショット沢村さん!)

入元娘がグッドと親指を立てニコッと言った。

椿坂は、死を直感したが助かったと安堵の表情でお礼を言ってきた。

(どうも、椿坂さんは無事でなりより。)

その一瞬。別の方向を警戒する隊員が。

(敵の増援が来たぞ!車輌に近寄らすな。)

5台の装甲車はバラバラな縦列に停車し、沢村らは1番ケツの車輌の位置にいた。

沢村と椿坂はコンテナ側に、入元娘はその後ろに。3名の隊員は車輌後方及び側方に展開し警戒していた。

(やばい詰めて来てる。)

ありすはつぶやく

(沢村班長ブレコンで下がりましょう。)

(12時ブレイク。もう主力が来る。)

号令をかけた瞬間、ありすは先行しコンテナ側に走って行ってしまった,

(あいつバカじゃねーか?死ぬぞ。)

とその行動に驚いた隊員が叫んだ。

(お前らは自己プロテクションを取れ、椿坂のカバーに行く。下手に撃つなよ。)

(了解……)

(あちゃーありす突っ込んじゃったか…)

みうは呆れたように言った。

(00.04娘さんの友達が突撃。04はカバーに回る為射撃には注意されたし送れ。)

(なんち?お前学生を抑えとかんか。分かった。)

(すみません。)

とやらかしたぁーと言いながら。椿坂の後を追う。

(椿坂さん、止まれ!危ないぞ!止まれ!)

ありすは声に気づくが無視。味方側からは20メートルしか離れてないものの、敵側のエリアのため危険だった。

主力が車輌側に到着し制圧していると無線がはいった。

しかし、主力に押された敵はコンテナ側に流れて来た敵と 俺らがかち合ってしまった。

5名程の敵がコンテナとコンテナの間の通路に入ろうとした時、距離は椿坂さんと俺のレンジは1メートルとなかった。

すかさずありすはナイフを出し、敵のポイントマンの銃を掴みナイフを首に刺した。突如襲われた先頭をカバー仕様と椿坂に銃を向けるウイングマンに俺は銃を振り上げ斜めに構えインスティンクトで2発腹部、2発頭部に撃ち込みウイングマンを倒した。

倒れ込んだウイングマンを避けるように出て来た後ろの敵に2発発砲。

その後ろに椿坂が拳銃を抜き《ホルスタードロー》し2発頭部目掛け発砲し、俺はその一瞬でサイトする為銃を縦に起こし最後の人間の頭部2発ぶち込み、ライフル弾が頭部を貫通し射出口側から弾丸のエネルギーで抉られた脳みそが吹き散り、地面に崩れ落ちた。

数分に感じた戦いは僅か数秒しかたっていなかった。

俺と椿坂さんはサーチ《敵が本当に居ないかの確認》し動くもの、敵が居ないことを確認し、銃を下ろした。

(あっちも制圧したそうだ。)

(沢村さんには助けて貰ってばっかですね。)

(違う。椿坂さんは戦い方がデタラメで危ない。)

(すみません。けど生きてるじゃないですか、それに回り込もうとしたのは駄目なんですか?)

(だから、君は何をその銃の使い方と訓練を受けたんだ?全く理解してないだろ。)

あまりの無謀な戦い方に呆れ果て口論寸前までになってしまった。

(だったらあんたが教えてよ。私だって必死だった。こんな人を撃つなんて初めてで、習ったことを必死でやったの!)

と泣き出してしまった。

(申し訳ない。訓練を受けたとは言えまだ学生だったね。けど、俺達も君も命がある。だから言うしかないんだ。そこはわかって。)

そうだった、彼女らはまだ子供だ自分の身を守ることで精一杯、いや高緊張度にトンネルビジョンにになるのも仕方がない。経験がないんだから。俺もまだ未熟だな……

頭で考えると反省した。

椿坂さんは泣き止み、はっとした表情て鼻をすすりながら

(有栖、下の名前でいいですよ。沢村さん。これから教えてくださいね。)

(俺みたいな未熟者でいいなら。教えるよ。)

(もー謙遜ばっかり言ってるとモテないですよ)

((沢村ぁはよ戻ってこんか。警察の後処理が来てるぞ。))

(00.04すみません。戻ります。)

(ありす、戻るぞ)

(はい)


戦闘終了 1950

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