1月27日 国旗制定記念日

「もう我慢ならない」

 俺は白い布を裁断し、色をつけていった。

「今から俺は書斎に独自の国家を作る。これが国旗だ」

 急ごしらえにしては上出来な旗をキッチンの方に向けた。

「あ、僕も僕も!」

「やるー!」

 二人の息子にも切った布を手渡し、好きに色を塗らせた。

「僕の国!」

「俺の国家!」

「あん?」

 リビングを駆けぬける衝撃波。その中心には妻がいた。一瞬窓が割れたかと錯覚した。

 俺たちはそっと国旗を床に起き、まだ何も描かれていない大きな布をかわりに手に取った。

 俺と息子たちは必死でそれを振った。

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