1月22日 カレーの日

 鼻の奥に突き刺さるスパイスの香り、ドロッとご飯に絡みつくルー。

 いや、だめだ。食レポを脳内再生しても美味しそうに感じなくなってしまった。

 「俺が悪かった。もう毎日カレー食べたいなんて願わないから」

 給食の献立は、何度見ても金曜のカレーの日。周りはどうも気づいていない。まさかこんなことになるとは。

「もう一杯もカレーは食べられない。頼むから時間を進めてくれ」

 俺は天井を仰いだ。

 それから、なにも問題なく次の日が来た。明日が来ないってのは相当怖いもんだな。平和な毎日、カレーとも縁が切れ始めた頃だった。

「久々にカレー食べたいな」

 俺はボソッと授業中に呟いた。

「何言ってんだよ、昨日カレーだったじゃないか」

 隣の席の奴が言った。最初は何を言っているのか分からなかったさ。でも、もう神様のパターンは分かった。ほんとに極端だな。

「なにも、カレーのある日だけスキップしなくていいだろ!?」

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