2049年6月24日 やっぱり“お約束”が大事?

「2049年6月24日


 せんせいから、どくしょかんそう文がかえってきた。

『とてもおもしろいかんそうですね。たしかに、ちょっとふしぎ。かいぞくたちは、それまでとてもうんがよかったのかしら? そのおかげで、おとこの子のかつやくがいっそうたのしめました。やっぱり、ものがたりはいいですね』

うーん、びみょう…?


***


 …やっぱり、そんなような結果だったわね。


 あれから半世紀超、今ならわかる、大体の物語には、多分にご都合主義が含まれているって。あの時の担任の先生は、当時の自分にはすごく大人に思えていたけれど、私と15、6ほどしか違わない人だったのよね(ああ、まだ名前が思い出せない!)。あのころはそうとは思わなかったけれど、きっと、かなり困らせてしまったんだわ。若い娘さん相手に、すまないことしてしまったものね。


 評価する人によって意見が割れることも、今ならわかる。この年の秋に学校行事で見に行ったミュージカルの感想文でも随分と納得の行かない思いをしたことは、今もはっきり覚えていたりはするけれど。

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