わざと笑らないで、、

HSPテニスバカ

無理に笑う程きつい事はない

(1)

 僕はスポーツ大好きな小学4年生。とくに好きなスポーツはサッカー。自分でボールをコントロールして相手を抜くことができた時は最高に気持ちいい。でも最近はサッカーが楽しくない。


(2)

 僕がサッカーをする時は学校の15分休みの時と放課後だ。でも1人でやるわけではない。友達3人とする。僕を入れて4人で2対2の試合を毎回やっている。ここで問題がある。僕以外の3人はサッカーでいうフォアードに憧れていてドリブルが好きという事。それに加えて3人とも自分の意見を曲げないタイプでいつも

「俺にボールよこせ!早くしろ!」

と騒いでいる。こんな中で僕はいつもパスして褒める事をしてしまう。

「めっちゃいいドリブルだね!かっこいい!」

と自分の気持ちを抑え込んで無理に笑って褒めちぎる。

「なんでこんなことしてんだろ。」

と自分でも思っていた。


(3)

 そんな気持ちで放課後のサッカーが終わり、落ち込みながら家に帰った。すると僕の3つ上の姉貴が僕の顔を見て言った。

「アンタ何落ち込んでんの?もしかして好きな子の振られた?笑」

本当に嫌なことを言ってくる姉貴だ。最近僕に好きな子ができた事を知ってから、ずっといじってくる。

「違うよ!友達にパスしてばっかでサッカーが楽しくないんだよ!僕だってドリブルで相手を抜きたいのに。、、」

姉貴は大きなため息をついてこう言った。

「なんだそんな事か笑。そんなのあんたがやりたいようにやればいいじゃない。そんなんで怒ってきたら友達じゃないよ。」

この言葉に僕は気持ちが少し楽になった

「やりたいようにやるか、、、」


(4)

 次の日。いつものように放課後に4人で集まり試合をした

「よし!今日はやりたいようにやるぞ!」

そう決めた。僕は味方にパスをせずにボールを持ったら自分の好きなドリブルでゴールに突っ走った。そして見事にシュートを決めた

「うわ!すげーー!ドリブルそんなに上手かったんだな!俺にも教えて」

「俺も!!教えて」

この反応には自分でもびっくりだった。今までは相手を満足させようと無理に笑って我慢していた。でも自分を出した事でより4人の仲が深まった。

「うん!いいよ!教えてあげる!」

本当の笑顔が出せた瞬間だった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

わざと笑らないで、、 HSPテニスバカ @shinji1213

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る