第14話
え…?
いや、は?
セラ今なんて言った!?
好きって言った?
好きってなんだっけ?
あー、私の事好きなんだ…って
「え…?えぇ!?!?」
「そんな驚くか?いや、だってさ、俺は生まれてからこんなに親身になって接してもらった事なかったし、俺がまたこんなに心から笑えるようになるなんて思ってなかったんだよ。そうなるようにしてくれたアズに自然と惹かれてたんだ。ありがとう。で—」
「ちょっと待って!!スラスラ話始めないで…!?頭追い付いてないから!!!」
「お、おう。」
「セラさ、私の事好きだなんて素振りなかったじゃん。」
そう、だって今の今まで私の事好きなのかもっていう素振りすら見せなかったじゃん!!
むしろ距離は縮まったけどまだ壁がありそうだな、とか思ってたんですけど!?
「そりゃ、好きな奴の前で掟破って転生できないとか情けないだろ。」
「う…それはそうだけど…。」
「だろ?神に掟はここから先は関係ないって言われなかったらこのまま転生するつもりだったしな。まぁ、記憶がなくなったとしても会いに行ける自信あるぜ?」
「私だって、天使卒業して生まれ変わったら絶対会いに行くって誓えるもん!」
「へぇ~、それってさ、つまり…」
「あ…いや…今のは違くて…違くないけど」
「どっちだよ。」
「…好き、だよ。」
「そっか、ほらおいで。」
優しく微笑みながら両手を広げて待ってくれてる。
その腕の中に行くと優しく抱きしめてくれて、そっとおでこにキスされた。
「なんだよその顔は。」
「なんか不服。」
「何がだよ。」
「なんか手馴れてる。キスがおでこだった。顔がにやけてる。」
「うるさいな。手馴れてなんかないし。」
「他は否定しないんかい!」
「わかったわかった。よいしょっと。」
「改まってどうしたの?」
「転生してもアズは俺に会いに来てくれるって誓ってくれるか?」
「それはもちろん誓うよ!セラは?」
「俺も誓う。だから約束、な?」
そう言ってセラは誓いなって言いながら口にキスをした。
この幸せな時間が続くといいのに…
『そろそろ時間なのだよ、アズ。』
「はい。」
「…時間、か?」
「うん。」
「しょうがない。神の所に行くか。」
「行きたくない…。」
「そんなこと言うなって。俺も行きたくないけどさ、転生以内とアズとずっと一緒に入れないだろ?な?」
「うん。」
少し寂しそうに頭をなでるセラの姿にこっちが泣きそうになる。
『さて、お別れはできたかな?』
「まぁ、心残りはあるけどって感じですね。」
『そうだろうね。』
「でも!ちゃんと2人の時間取れたから、大丈夫!!」
『そっか。なら心配はいらないかの。この先の門をくぐれば転生できる。くぐったらもう戻ってこれない。』
「はい。じゃあアズ、少しの時間だけお別れだ。ちゃんとアズも転生したら会いに行くから。それまで俺の事忘れるなよ?」
「うん。忘れない…。絶対に会いに行く。」
「いつもの公園で待ってるから。」
「うんっ!」
「先に行って待ってるな。」
「また…、後で、ね…!」
行っちゃった…
転生したら記憶がなくなっちゃう。
私のことはすぐにわからなくなる。
それなのに約束しちゃった。
私も転生したら覚えてるわけないのに。
ばかみたい…
ちょっとの間カップルごっこして舞あっがって、転生しても会おうなんて
ほんと…ばかだよ
なんでか涙が止まらない
泣くつもりなんてなかったのに
「うぅっ…、ふっえ、うわぁぁぁぁっぁああああ!!!!」
私は門の前に崩れ落ちてしばらく大泣きした。
-つづく-
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