無人島に何持ってく?
@ponkot
水平線の向こう
「無人島に行くなら何持ってく?」人類が生まれた時から使い古された会話だ。誰しも一度は考えたことがあるだろう。
おれもあっちにいた時は、そんな会話が好きだった。学校の休み時間、水平線の向こうにある島を想像して、友達と馬鹿みたいに言い争いをしていた。あの時のおれはなんて答えたっけ。シルバニアファミリーとかか、知らんけど。思わず鼻で笑ってしまう。面白くもないのに。今だったら絶対……。
雨が降ってきた。ボロボロに日焼けした肌に突き刺さる。何度目の雨だ。もう痛いのか、痛くないのかさえ分からない。
水平線の向こう側の会話に、痛みはなかった。今もいるだろうか、ここをモチーフにして楽しく話している奴らは。
それなら言いたい。そんなことは無駄だと。だって……ああ、可笑しくなってきた。ただただ広がる「青」に訴えても、無駄なことは幾度も喉を潰して知ったはずだ。
「もう無人島じゃねえしな! おれがいるから!」
だから……誰か。
無人島に何持ってく? @ponkot
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます