第2話 白の女王・白の災厄の話



 白く凍った世界に一人のお姫様がいた。


 真っ白なお姫様が。


 そのお姫様は、ずっと眠っていたがある日、原因が分からないまま起きることになった。


 目覚めたお姫様は、思い出す。


 この世界が冷たい事に。


 この世界は元はもっと温かかったはずだと思った。


 だから、この世界を温かくするために、別の世界へ旅立った。


 熱がないならば、温かい世界から熱を持ってこようとしたのだ。


 この冷え切った世界に、熱をもってこようと。


 そして、


 白の姫は冒険を繰り返し。


 白の女王となった。


 けれど城の女王は故郷を救えなかった。


 故郷の世界はとっくの昔に崩壊していたからだ。


 あの凍えた世界にあった、最後の温もり。


 つまり白の姫がいなくなってしまったから。


 白の姫がいなくなったとたんに世界は、滅びてしまった。


 ほかならぬ自分が崩壊の引き金をひいてしまったのだ。


 救うべき世界を失った白の女王は壊れてしまった。


 そして、白の災厄へ変化し、様々な世界を滅ぼしていったのだった。


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