88歳の母

夢美瑠瑠

88歳の母



 僕の母はこの2月13日で米寿を迎えた。

 

 米、という字を分解すると八十八と読める。それに因んでしゃれて「米寿」と呼ぶのは周知である。六十は還暦、これは暦が十干十二支なのから来ている。七十は古希。これは中国で「古来希まれなり」といった故事から来ている。七十七は喜寿。いわれはしらないがまあめでたいからということだろう。八十が傘寿。九十が卒寿。これらは漢字の略字からの発想。九十九が白寿。これも百という漢字から「一」を引いた、という洒落であります。百歳は聞いたことがないが、「百寿」だろうか。

あと確か「皇寿」という字も見たことがあるが、何歳か失念。以下については漢和辞典とかに譲ります。

 

 母は僕と同じく虚弱な体質で、あまり外に出て活動するタイプでなかった。

 家庭婦人タイプで、腺病質というか「蒲柳の質」だった。

 小さいころから虚弱で、よくニンニクを食べさせられたという。虚弱だが、気は強かったという。この辺は今でもそうである。理性より感情が先行するタイプで、人間もそういう情誼に厚いようなタイプを好む。僕などは「感情がない」人とか言って嫌っているようだ。

 自分では冷静で客観的な発想をする非常に信頼できるいい人物、のつもりなのだがw母からするとそういうのは情緒だか情操のの発達に欠陥があるみたいに感じるようだ。同じような発想で将棋の羽生善治さんとか女優の菊川怜みたいな「知的で冷たい」ような印象の人物にも「この人ねえ、なんだか…」といって人格に疑問を呈する。僕に対する反感とか嫌悪感の延長線上にそうした人物評価があるのかもしれない。

<つづく>

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