15分で書く即興小説

@Alansan

イスカリオテの修道女

お題 禁断の修道女


 あぁ。チャペルの鐘の音がうるせぇなぁ。

 夕陽に包まれたチャペルを片目に私は煙草を口に咥える。

 私はなりたくてこんなことしてるわけじゃない。親がそういう家系のやつで、しかも結構権威がある家に生まれちまったからこんなことしてる。これも神の運命ってやつ?うっぜぇなぁ。

 私は普通、本当にごくごく普通の家庭に生まれていたら幸せになっていたのかな。どちらにしろこのクソみてぇな性格の人間だ。どっちにしろ無理だった気がする。

 あ、明日は自由な日だったな。どこか見知らぬ地に行って酒と肉でも食ってこようかな。神に対するささやかな反逆だ。あと誰かとセックスもしたい。

 いつも良い修道女として生きてるんだから良いよなこれくらい。人間だし。私は神でもない。まして神の声やらお告げやらが聞こえるわけでもない。聞こえてるやつはきっと頭がイカれてる。聞こえるわけねぇだろ馬鹿どもが。

 さーてたまにははっちゃけるとするかな。イスカリオテの修道女として。

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