一筋の涙

璃々花

一筋の涙


『dai 新着メッセージがあります』


ロック画面に表示された通知。


あぁ、なんだか久々に見る。

また、会おうという話かな。なんだろ。


『15日休み』


ほーら、休みの日を教えてくれる、ということは、会おうという連絡。いつもこんな感じ。


彼の名は大。一応、私の元カレ。

あ、私は由実。

大とは友人からの紹介で付き合った。付き合ったのは、、、2年前。3ヶ月ほどの交際だった。別れた原因はなんか謎だった。


「由美は俺と付き合わずに1人で生きていった方がいい」


と突然振られた。



しかし、別れた後、今も関係が続いている。


そう、身体の関係。



この2年間で、私は2人の男性と交際した。


、、、その2人目とは先週の土曜日に別れたばかり。彼の名は雄介。

よくテレビやネットで見る言葉を私が言うとは思わなかったが、別れた理由は『価値観の違い』。面白い話だ、私から別れを告げた。雄介とは1年1ヶ月付き合った。


雄介と付き合っている間も、私と大は会っていた。 これは『浮気』ということになるのだろうか、世間的にはそうだろう。でも、私は大に対して『付き合いたい、復縁したい』という気持ちは無かったが、身体の相性がいいためか、続けたかった。


大も彼の存在のことは知っていた。


「最近、彼氏とはどうなん?」


なんて、私に聞きながら服を脱がせてくる。そういう関係。



大は、私のことを知っている。

私は別れたことはまだ言わなかった。


「由美、ここが弱いもんね」

耳元で言ってくる。その声でも感じてしまう。


ブラジャーを見て、

「こんな可愛いの持ってたっけ」

そんな嬉しいことを言ってくれるなんて。


「ごめんね、すぐに脱がせたいけど」

ブラジャーのホックを外し、露わになった私の乳房に顔をうずめ、敏感になった乳首を舐めてくる。


「ちょっと大きくなった?」

「なに、彼氏に大きくさせてもらってるの?」


「んん、違う」

乳首を責められているときに、私はまともに答えられなかった。そして、雄介とはセックスはそんなにしていなかった。もう別れたし。


「ああ、もっと触って」


「由美はおっぱいが好きだねぇ」


「ふふふ、うん」


「次は私がする」


私が四つん這いになり、大の乳首を舐めた。


「ああ、気持ちいい、、、」


大も乳首が弱い。二人とも同じだなんて、面白い、、ふふふ



「ここじゃ、激しいのが出来ない。ホテル行こうか」

1度、途中まで終えて、私はむずむずしていた。

大がホテルへ誘う。ちょっと珍しい。いつもは大の部屋でセックスするのに。


セックスをする場所へ移動する。

二人で大の部屋を出て、彼が鍵を閉めた時、「あっ」と言った。


私は予感がした。



「大、彼女出来た?」


「うん、なんで分かるの」


「女の勘。私はこないだ別れたというのに」


「えっ、そうなの!?」


「せっかく沢山、大と会えると思ったのに」


「1か月前ぐらい。可愛いとかスタイルとかはそんな良くない。でもね、一緒にいて楽しいんよね。弱い子でもないし、どちらかというと自分を持っていて、強い子。なんかさ、幸せにしたいと思う」


「へー。大のタイプじゃないよね」


「俺も珍しく思っている」


「私のことはそう思わなかったの?」


「由美は一人で頑張った方がいいと思ったんだ。それが由美のため」


「ああ、そう」


「だからさ、、、」


「会う回数が減るってことね」


「よくわかったね。今の彼女とは週に一回会っている」


「別にいいじゃん、なんで私のこと今回呼んだの」


「週に一回って少ないし、由美とのエッチ最高やし」


「都合のいい女かぁ」


「そう言ってないやろー、いじけるな、いじけるな。由美は雄介と別れたんか。まぁ、前から話を聞いていた限り、なんで付き合っているんだろ、って思っていたけどね。よく続いたじゃん」


「まぁね。でも自分から振ったくせに寂しいわ」


「今日は俺がいるじゃん」


「うんうん、ありがとうございますね」


「まぁ、今の彼女とうまくいけば、由美との関係もなくさないといけねいもんね」


「途切れないように、大に首輪つけておこう」


「怖いなぁ、、」


ホテルに着き、二人でベッドに飛び込んだ。


「エッチしようか」


「うん」


私たちは激しいキスをしながら、お互いの服を脱がせ合った。

裸になった私たちの姿はホテルにある鏡に映っていて、生々しかった。


大は私の胸を触り、私は彼の硬くなったものを触る。


「上に乗って」


私が彼の上に乗り、腰を振った。


「由美が気持ちいいように動いて」


私は前後に動き、イキそうになった。大は下から胸を責めてくる。


「あああ、イキそ、、、」


「いいよ」


「ああああ、、、、んんん。気持ちいい」


「逆になろうか」


正常位になった。


彼のものが私の奥を突いてくる。

その度に私は感じる。声が出てしまう。



私の上で大が腰を振って感じている。


「ああ、気持ちいい」


大は今、誰のことを考えているの?何を考えているの?


彼女のこと?

架空の女性のこと?

ただ、気持ちいいってこと?


なんだろう、、、

復縁したいと思っていないんだよ。

なのに、何故か、振られた気分になってしまっている。

寂しくなる、、、彼女かぁ。


いつまでもこの関係が続くと思っていた。



私のことを考えてくれているの?大、、、


いつまでも私と繋がっていてよ。


私の名前を呼んでよ。



自然と私の右目から一筋の涙が流れた。

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一筋の涙 璃々花 @riri0404

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