第9話
なつやすみのためにいきていた。
何か月も前から子供とともにまちにまっていた。
区切りのない家族の時間。夢見る時間。
習い事はつづかなかったので、その分たくさん貧乏旅行やわくわく体験、沢山の本と、思い出をあげたいとおもった。オリジナルの心の宝物をもたせてやりたかった。
2リットルのペットボトルをたくさんたくさん集めて
汗だくになって洗ってきって、1センチ重ねてつなげて、家の端から端までの流しそうめんをいっしょにつくった。てんぷらもたくさんいろいろな種類を揚げて、キュウリやトマトも用意した。ミニトマトも流した。やっぱり汗だくになって山盛りのそうめんをゆでた。
夫は最初は「テーブルでできる小さいのにしたら?」と、漫画を読みながらいっていた。
子どもたちもそれぞれ遊んでいて、そうめん台を私一人作っていた。
しかし実験で水を流して、ぼたぼた床にこぼれることを知ると、子供たちが
ここに椅子を置こう、傾斜はもっと強くしないと流れない、下に支えとなる棒をあてがおう、ブルーシートをしこう、と、だんだん目を輝かせ始めた。
はじめて水にのってうまくそうめんが流れたとき、子供たちが歓声を上げた。
この時のことをみんなでずっと覚えていてくれたらと願った。。
羊腸も安くで手に入ることを知ったので、一日がかりで山盛りのソーセージをいえでつくった。氷や温度計を買って。夏の思い出ソーセージだ。
準備から、よくよく練り上げるのから、あと片づけで色々なものを除菌して、ようやくきれいな手縫いのロイヤルブルーのテーブルクロスにかえて、ナイフとフォーク
付け合わせのポテトやザワークラフト風のきゃべつ、レモン、マスタードを添えて食べ始めるころには、日もとっぷり暮れていた。
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