第2話
この空気はなに?
はじめてあった日に、一緒に土手でえんえんと一緒に景色を見た。
そろそろ行かないと、とか、次の場所に行ってたのしませないと、という息づかいがない。ただただいっしょにながめていた。相手はニコニコ笑っている。
お見合いなんてしない、ときめていた。
恋愛をこれまでしてきたつもりだったのである。
でも、いっしょにいきるひとがほしかった。仕事もしていた。
空っぽになって何でも受け入れる気持ちになっていた。
今自分をもとめてくれるひとはいない。恥ずかしいとは思わなくなった。
お見合い、、。
はじめの人は私が降りたと同時に車を発車した。
二番目の人はとても高価なレストランにつれていってくれたが、
はやく食事を進めるために次々と食べ終わった皿を手際よく重ねて
「自分は仕事が忙しいので、土日も家にいないから」といったひとだった。
そして淡々と日が過ぎた。
夫を初めて見たとき、にっこりとゆっくりゆっくりほほえんでくれた。
「王子様?」
土手でゆっくり眺めていたせいで時間も遅くなり、お店もしまっていたせいもあるが
初めて一緒に食事をしたのは、どんぶりやさんだった。
この空気は何?
何も要求されない。ただ一緒にこの時間をにこにこわらっていてくれる。
お見合いで王子様にあった。
もう人を好きになることはない、ただ、生きていけたらと思っていたのに。
涙が出た。
だいすきになった。
はなれられなくなった。
「
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