追放されたEランク色魔術師が悪魔の力を得る
TOUYOU
第一章
第1話 適性検査
俺の名前はクロード、貴族界では有名なアストラル家の長男としてこの家に生まれた。父は実力主義な部分があるが、俺には格別にやさしい人だ。
母は格別に優しくいつも誰にでも分け隔てなく接してる人だった。だが、俺が5歳の時に死んでしまった。それでも、俺の尊敬できる人の内の一人だ。
そんなアストラル家に生まれてから速くも10年が立った。そして、10歳になったら行われることとして【適正検査】というものがある。
それは協会に行き、そこの神官に…
・魔法適正
・ユニークスキル適正
・職業適正
などを見てもらうことができる。
今は、沢山の人々が集まる中、突如歓声が沸き始めた。
その歓声の行く先はナーバス家の長女であるラビリンスだった。ラビリンスは自分の婚約相手であり、周りからは百年の一人の【美少女】なんて呼ばれてたりする。
「自信がないけど、頑張ります!」
そうラビリンスが言って、神官の持っている神託の球が光ると、結果を述べた。
魔法適正は、
・回復魔法(S)
・光魔法(A)
・水魔法(A)
・強化魔法(A)
「な、なんだって!!」
「これは本当なのか!!」
周りがざわつき始めた。まず、4重魔法適正な上に1つはSランク、しかもその他3つはAランクとあり得ない程の確率を引き当てた。
普通魔法適正は多くても3重までと言われ
3重でも100万の1といわれ、4重ともなったら、伝説の聖女と同じ魔法適正の数で最早確率すらわからない。さらにSランクともなったら×10万、
そしてAランクが3つだと×1万×1万×1万となりもはや奇跡とも言っていい。
周りからは、
この世界の救世主様だ!!
もうこの国は安泰だ!!
などと言われている。
「次にスキルですが、な、なんだこれは!!」
そう神官が言い結果を見てみると、
ユニークスキル
・導きの光(S)
・真実の瞳(S)
・女神の加護(S)
・共鳴魔術(S)
・運命の予感(S)
・聖なる魔盾(S)
となっていた。最早会場は静まり帰っていた。普通ユニークスキルというのは二つが限度でそれでも100万分の1、6つとなるともはや軽く億は越えるし、しかも全部Sランクというのは最早異常だ。
「で、で、では職業適正を行います…」
職業適正
・聖女(SS)
・勇者(SS)
・英雄(SS)
・賢者(SS)
「は???」
これは異常としか言えない、SSランクの職業が出る確率は1000万分の1と言われる。
それの4乗…もう最早、世界最強と言ってもいい。いや、世界最強になってしまった。
聖女、勇者、英雄、賢者、この四つは最強役職と言われ、この役職が出るのは百年の一度と言われており、最早一斉に全部出してしまったのは神に愛されているとしかいいようがない。
そんな沈黙を破ったのは、ある一声、、、
「もしかして、アストラル家のクロード様はこれよりも凄いのでは、、、」
ざわざわとまるで、世界的に有名なミュージシャンのライブを聞き盛り上がっているような雰囲気だった。
そんなとき、ラビリンスが話しかけてきた。
「どうだった?」
「はぁ~、凄いって問題じゃもうなくなったぞ。」
「でも、クロードはもっと凄いんでしょ?」
「全く誰のせいでこんなプレッシャーを背負ってんだか。」
「ふふっ。頑張ってね。」
「全く。期待はしないでくれよ。」
「分かった。」
そういって俺は神官が待っている壇上に上がった。
このとき俺は浮かれていたのかもしれない。もしかしたら自分も良いステータスかもしれないと、
「それでは、行きますね。」
そう、神官が言って自分の魔法適性が映し出された。
そして、ここが運命の分かれ目となってしまった。
魔法適性
・色魔法(E)
ユニークスキル
・無し
職業適正
・無し
結果はこのありさまだった。
周りからは笑い声が聞こえてくる。それはそうだ、色魔法なんか、ただ物に色を塗るだけのゴミ魔法。しかも、ランクはEランクでせいぜい白と黒しか塗れない。それだけでなくユニークスキルと職業適正もない。こんな存在を今まで見たことがない。
そんな中、父が言葉を発した。
「この、、、役立たずが!!!!」
「お前は追放だ!!!!もう2度と顔を見せるな!!!!」
そう言って父が魔法を発動した。その勢いで俺は協会から追い出された。
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