ナガタマ〜仙人は今日も生きてます〜

@tbenten

第1話 #崩壊

 その日、退屈で窮屈な軟禁生活が終わりを迎えた。

 

 だが、俺が待ち焦がれていたXデーは、もっとずっと先のはずだ。

 

 何せ、後1000年も先のことの筈なのに。

 

 もう2000年も暮らしている古民家の縁側で、俺は嫌な予感を感じながら、空を見上げていた。


 いつもなら、朝日が登る時間で綺麗な日の出が見える筈だったのに、今では血のような毒々しい赤で染め上がられている。


「うぉお!!?」


 その上、真っ直ぐ立てないぐらいの大地震…2000年暮らしていて初めてだ。


「何が起きてるんだよ…話が違いじゃねぇかよ。」


 前代未聞の異常事態に俺は不安が隠せず、恨み言を呟いてしまう。 

 だが、恨み言を言ったところで何も変わらず、俺はただ毒々しい赤に染まった空を見ているしかできない…が、悪い事と言うには止まることを知らないようで、更なる異変が起きる。


「おい…おいおいおいおいおい!?。嘘だろ!?」


 赤く染まった空の次は、激しい音をってながら空にヒビが入った。

 しかも、ヒビ割れた影響なのか、ハリケーンの様な暴風が吹き荒れ、森の木々や岩がが吹き飛ばされ、俺の居る方へと飛んで聞いた。


「何なんだよ!!。闘気・魔力混合!!。仙術・六花障壁!!」


 吹き飛ばされてくる諸々から住処を守るため、この2000年で身に付けた仙術を使う俺。

 残がいが飛んでくる方角に、六角形の青白く光る巨大な障壁を作り出す。半透明で壊れやすそうに見えるが、ところがギッチョン!!。

 ぶっとい木の幹や大型車ぐらいの大岩がぶつかっても、びくともしないのだ。

 もっとヤバいモノも防いだ事があるので、その強度は折り紙付きで、難なく大事な古民家は守る事が出来た。


「って!!?。まだひび割れるの!!!?」


 安心したのも束の間…空のヒビ割れたは、更に範囲を広げて行く。その影響で、至る所で暴風が巻き起こり、全方位から残がいが襲い掛かる。


「仙術・円陣障壁:八重!!」


 俺は一方しか守れない障壁を解き、全方位の障壁を作り出す。小さな六角形が繋がりながら、ドーム状の障壁となり、建物だけではなく周囲も纏めで包み込む。

 念には念を入れて、全方位障壁は八層式だ。やり過ぎの様だが、天変地異の異常事態だ。やり過ぎ、し過ぎぐらいは許されるだろう。


「マジでどうなって……う、嘘!?。わ、割れる!!。が壊れる!!?」


 ヒビ割れは空一面に及び、そして、激しい音を立てて砕け散る…割れた空の向こうから、眩し過ぎる光が全てを飲み込んでいく。

 障壁を張っていた俺もまた、その光に飲み込まれていった。



 こうして俺の退屈で窮屈な軟禁生活が、隔離世界の崩壊と共に終わりを迎えたのだった。

 

 

何でこんな事に…話が違うぞ!!、馬鹿神!!!


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