第14話 お前ら、変な事考えてないよな?
「机の件は申し訳なかったわ。交換する羽目にまでなってしまって…………」
「もう気にするな……………俺も思い出したくもない」
「あそこまでだとは私も思っていなかったわ」
翌日の放課後、俺達の姿は氷見谷宅にあった。
今、俺が謝罪をされているのは机の件。あれのせいで朝から散々だったからな。
普段通りに登校し、教室に入り席に付こうと思うと、白くネバネバとしたものが俺の机いっぱいに張り付いていた。
そんな状況に立ち竦む俺を知らずに、ぞろぞろとクラスメイトは登校しはじめ、俺の机の周りに人がこれでもかと集まる。
「これなに?」「もしかしてイジメ?」「なんかネバネバしてて気持ちが悪い」
など騒がれる中、
「昨日の放課後、液体のりこぼしてそのまましてたわ。うっかりうっかり」
ダメ元で苦しい嘘を吐いた。
焦りながらも横目で氷見谷と千葉を見るが、どちらも俺から目を逸らし千葉は吹けない口笛を空吹き、氷見谷は額に手を当てていた。
その後、なんとかその場を抜けて一日を終え今に至る。
ちなみに、椅子も机も空き教室にあるものに交換した。もちろん、千葉や氷見谷が交換するのではなく自分でだ。
「本当にごめんなさい」
こうして今に至る。
氷見谷の家にいるかは謎だ。なんか謝罪をしたいと言われてついていったら家の前までに来ていた。
別に、お詫びなんかスタバ奢ってくれるくらいでいいのに、なんで家にまで入らなきゃならない。なんかまた百合を見せられそうな予感がする。
今既に悪寒が体中に走っている。
「んで、お詫びってなんだ?謝罪はもうしてもらったからなにか他にあるんじゃないのか?」
テーブルを挟み、目の前に座っている2人に問いかける。
「それなんだけど…………」
「…………うん」
千葉と氷見谷は顔を合わせる。
「おい、お前ら変な事考えてないか?」
「いや“変なこと”は考えていないわよ?」
「その言い方だと納得いかないんだけど?」
「そうかしら?」
「確信犯だろ」
「まぁ心葉も承諾したんだし心配なしなくて大丈夫よ」
「千葉、本当か?」
「私は氷見谷に言われた事をするだけだわ」
後ろにのけぞる俺に、千葉は不意に頬を赤らめながら言う。
嫌な予感しかしない。
目を細めて2人をジトっと見ていると、氷見谷は立ち上がり、おもむろに服を脱ぎだした。
「おいっ!お前なにしてっ」
「あなたも脱ぎなさいよ」
「は!?俺もって!?」
「そうよ、心葉も早く」
「わ、分かったわよ」
赤面しつつ、千葉もワイシャツのボタンを取り始める。
「お前ら、なにして………………」
「見て分からない?今からあなたとエッチしてあげるって言ってるのよ」
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