とりと鳥の違い

お題：僕の嫌いな鳥 制限時間：15分

とりと鳥の違い

「どうしてお前はいつも僕の知らない間にご飯を食べて鳴いてるんだ？」

　ペットのにわとりをなでてもこけこけごきごきぐけぐけと動くだけで僕の感情は一方通行。

「にわもいるんだから、二人でいちゃつきたいんかな」

　ただ両方メスだから、そういう百合カップルになるがとりの世界にもそんな領域があるのだろうか？　恥ずかしいというわけではないんだよな。

「……うーん」

　いちわ取り出して、歩かせてみても逃げようとせずぐるぐるその場を歩き続ける。溢れる液体まで撒き散らして可愛いさはほんとあるんだけどな。

　とりは僕のこと迷惑に思っていないようだし、懐いてないとも言い難い。なんで餌を僕から隠れて食べるんだ。

「わからないなぁ、ほんと」

『鳥籠』に戻すと、急いだ感じを出しながらもういちわのところへと戻る。

「……」

　生き物に好かれないことは両親が去ったことも、親戚たちも次々行方をくらましてることからもわかってる。

　僕はとりに生き物に嫌われてる。

　僕が嫌ってるのがわかったのか、嫌われることをしたのかどうだろうか。結果そうなってるのだから、嫌われたということだ。

「まぁ……いいか、今日はこのいちわだけで満足か」

　明日はさんわになって親戚がいなくなる。

「切断するのもなれてきたし、籠もそろそろこの部屋では収集できないな」

　なら、本家にいくかな。

　あそこはとりがたくさんくるし、何かの勉強をしてるみたい。

　とりの言葉は難しくてわからないけど、理解できれば嫌いじゃなくなるかもしれない。

「とりは鳥じゃない」

　床に残った液体をタオルで拭くと、赤が目立った。