境界

バブみ道日丿宮組

お題:冷静と情熱の間にあるのは境界 制限時間:15分

境界

 誰にも心には冷たい刃という境界の力を持ってる。

 それを現実に具現化できるかできないかは、境界線を超えたかどうか。まさに境界線だね。

 見える見えないじゃなくて感じること。

 第六感に近い。幽霊というのはその境界の力の一部。他人の悪意、熱意を具現化させ支配したものだ。持ってるけど使い方がわからないのが暴走してるのがいわゆる世間で騒がれる幽霊というホラー。

 真実を知ってるのは極々一部。

「……じゃぁ死ねば?」

 私がそういうとクラスメイトが次々と首を切りはじめ、愉悦の笑みの頭を転がし始めた。それでも身体は倒れず、跪いてくるのだから私の境界の力も怖いものだ。生きてるのか死んでるのか面白い。

「ふふ」

 転がってる頭を1つ拾って、跪いてないクラスメイトへと投げつけた。

 当然悲鳴が聞こえてくる。

 境界の力が効かない連中は耐性がある証拠。

 つまり無自覚に能力を使ってるか隠してる。

「あまりやるとまわりが迷惑するよ?」

 隣にはいつの間に登校してきたのか幼馴染が扉の地殻で哀れむような顔をしてこちらを見てた。

「どうせ明日には施行されるんでしょ?」

 境界の力の暴露。

 今まで世界中で起こってる現象の告発。それによるテロリストや、戦争への勃発。

「あくまでも噂って話だけどね?」

「あら、そうだったけ?」

 でも、いつかはバレること。

 こんな怪しげな力はとてもじゃないけど、冷静でも情熱的にもいられない。

 心がブレるにブレる。

「君の父親も凄い境界の力だったけど、ほぼ絶対服従なんて無敵じゃないか」

「ほぼは無敵じゃない。あなたが今してる綺麗にするほうがよっぽどマシじゃない」

 幼馴染の瞳が青白く光を放ち、クラスに飛び散ってた血を吸収してく。そしてまだ頭があるクラスメイトたちが干からびってった。乾燥というか、もう皮だけの死体というくらいだ。

「同じことしてるじゃない」

「違うよ、僕のは掃除」

 そうと私が言う頃には、クラスにいたクラスメイトだったものは誰一人としていなくなった。

「明日発表がなかったら暇になるわね」

 おもむろに自分の席に座ると、突然の静寂がちくりとだけ何かを抑えてきた気がした。

 けれど、すぐにそれもなくなった。

「あぁ、なければ起こせばいいのよね」

 お父さんが指名手配されてるように、私も自分の情熱に境界を寄せてしまおう。

「それはそれで大変そうだけどね」

 ただと、幼馴染は隣の席に座ると、

「面白くなりそうだ」

 笑った。

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境界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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