ダンジョン世界
バブみ道日丿宮組
お題:ダイナミックなダンジョン 制限時間:15分
ダンジョン世界
「またへんな形のダンジョンが生まれたものですね」
攻略対象として指示された場所は螺旋状にブロックが重なってできた塔。
「中入れば一緒でしょ? 私は援護しかしないからね」
頑張ってと彼女は肩を叩いてくる。コヤツのほうがレベルもスキルも何より位も高いというのにこうやって人頼りだ。
「いい加減団長として活躍したらどうですか?」
という皮肉に対しても、
「あなたがクリアすれば団長がクリアしたことと同じでしょ?」
「……俺はそうは思わないですけど?」
周りは当然団長のせいかだと思う。理不尽だ。
やってるのは俺なのに。
「大体あなたがスキルごまかさなきゃいいだけでしょ? 銃使いなんてこの世界にまだ残ってたのかっていうレア能力よ」
単騎で任務を受けるのは生命の危険として許されてない。へんな能力で目立ちたくないから結果としてこのペアでまわることになったという結末。
「だいたいこんなの魔法の応用スキルですよ? 誰でも訓練すればできる。指弾と同じ原理です」
「イメージできなゃダメなんでしょ? そしたら君のオリジナルスキルみたいなもんだよ。あたしのはただの剣術。昔習ってた剣道の応用に過ぎないよ」
ほら、いこうと彼女はステップを踏みながら、ダンジョンの中にそそくさと入ってく。
「おぉ中は中ですっごいね。なんかなんか! すっごーーーい螺旋階段がたくさんあるよ!」
団長であっても、彼女の護衛任務はペアとして俺の仕事なのでつっぱして攻略をする彼女をサポートしなければならない。
「罠があったらどうするんですかって、もう踏んでましたね」
彼女がいってた螺旋階段がくるくると回転を開始、徐々に物質化してく。つまりは怪物に変わろうとしてる。
「いつからなんでしょうね。物が生命となるようになったのは。もちろん、物体に生命が宿るってのは妖怪とかでいますけど」
ダンジョンの中が変化しつつある中、戦う気が更々ない団長はステップを踏みつつ俺の後ろに隠れ、勝手に人の銃を引き抜き俺の両手に渡した。
「さぁ? 神様が動物を嫌いになったとか? 気づいたらこうなってたんだものわからないわ」
人間への罰とか、あるいは人間だけが転移したか。色んな憶測が生まれては消えてく。研究者たちは苦悩する毎日。答えのない問題。わからないことはわからない。
わかることは、出現するダンジョンを放置すると、でかい怪物となること。
だから、こうして1つずつ破壊して回らないといけない。
「じゃぁいこっか!」
こうして俺の日常ははじまった。
ダンジョン世界 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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