第11話 エンカウント。
「
私は今可愛い幼女なのだから、尊敬すべき幼女の先輩である軍人に倣って、ゴブリン相手に最高にクールな挨拶をカマしてあげる。
最速でも三十秒サイクルでリポップするゴブリンをリスキルする事二十匹。
私はレベルアップも果たして絶好調だった。
【
【職業:テイマー】【種族:人間】
・HP:310
・MP:590
・STR:7
・INT:7
・AGI:7
・VIT:77
・MIN:7
・DEX:7
【スキル】
・テイム
・殴打
・【空き】
・【空き】
・【空き】
【ペット】
【ヒールラビット:ヒイロ】【Lv.3】
◇
【パッシブスキル・殴打】
・特定の物理攻撃が威力上昇。
・効果:物理・打撃の威力が10%上昇
◇
なんか地味に殴打とか物騒なスキルが生えたんだけど。魔法職とは?(ゴブリン殴りながら)
「そぉい! 二十六匹目!」
話してる間にもゴブリンは死ぬ。慈悲は無し。
☆50回連続クリティカル攻撃達成。
☆スキル・クリティカルエッジ獲得。
あ、またレベル上がった。またスキル生えた。すぐSP振って……。
【
【職業:テイマー】【種族:人間】
・HP:340
・MP:660
・STR:8
・INT:8
・AGI:8
・VIT:88
・MIN:8
・DEX:8
【スキル】
・テイム
・殴打
・クリティカルエッジ
・【空き】
・【空き】
【ペット】
【ヒールラビット:ヒイロ】【Lv.3】
◇
【アクティブスキル・クリティカルエッジ】
・クリティカル攻撃成功時、ダメージ上昇。
・威力・属性:クリティカルダメージ100%上昇。
・
・MP:100
◇
だいぶ固くなって来たな…………。
多分、本当だったら普通にプレイしてたらVITじゃなくINTやMIN辺りを上げて後衛職っぽいステータスになるはずだったんだろう。
だってチュートリアル終わったらオススメクエストにデカデカと【魔法を覚えよう! 求む、魔法職!】って重要そうなクエストがピックアップされてたもん。
と言うかエイさんがチュートリアル終わったら初心者用のスキル獲得クエストをこなすと良いよって言ってた気がするもん。
…………ごめんねエイさん。私、ウサてゃんと触れ合える現実を前にしたら飛び出さざるを得なかったんだ。
本当なら、私が普通のプレイをしてたら、チュートリアル後にスキルクエストを受けてクリアして、今頃木製バットみたいなワンドの殴打とヤクザキックで戦う物理テイマーじゃなくて、ペットのモンスターを前衛にした後衛職テイマーが出来上がってた筈なのだ。
なのに私はVIT極振り魔法職とか言う変態。魔法攻撃には慣性や重力が乗らないから、ステータスが全てだ。なのでSTRとINTが同じくゴミである私は、ワンドでぶん殴って慣性とか遠心力とか武器重量とか体重とか、色々乗せた方がダメージ出るんだ。…………魔法職なのに。
百歩譲ってコレ、メイスとか拳で戦う
…………でもコレが一番ダメージ出るんだよなぁ。
ちなみに、テイマーと一緒に戦うべきヒイロは今、野生のヒールラビットの群れに混ざってお口をもしょもしょさせながら野草をはむはむしてらっしゃる。可愛い。それ見てるだけで私は後五時間は戦えるよ。結婚しよ?
あ、生えたスキルも確認しておこうか。
これは、クリティカルしまくったから手に入ったスキルだね。クリティカルが成功するとダメージが倍になると。……つっよ。
良いね良いね。これなら今のゴミ火力な私でも、ゴブリンを一撃で倒せるかもしれない。MPちょっと重いけど。
「とりあえず今は、クリティカルエッジ!」
音声入力を起動してスキルを発動する。
慣れれば念じるだけで発動するけど、まだ出来ない。練習してるんだけどコツが掴めない。当面は要練習ってところか。
振り抜いたワンドがリポップしたゴブリンの頭をカチ割り、今までに無い重い手応えが返って来る。
倍か。良いね。手応えが重い。嫌にリアルだ。
命のやり取りをしている感覚。これが野生か。私は今、他者の命を奪っている。
骨を砕いて肉を潰す感覚が強くなって、ワンド越しに私の手に纏わりつく。
お金を稼ぐって、大変だな。モンスターを倒さないとお金が稼げないプレイヤーは本当に大変だ。こんな感覚、人によってはトラウマになるんじゃないかな?
今の私のMPが六百ちょっとなので、消費が百のクリティカルエッジは六回しか使えない。
MPの自然回復率が確か六十秒で五%だっけ。つまり二十分で全回復。消費が百のクリティカルエッジを一回使うには約三分か。
本当なら慎重に使い所を見極めないとダメなんだろうけど、今の相手はゴブリンだしなぁ…………。
ただ殴るだけで殺せるから、余裕があったらクリティカルエッジで時短するって程度の認識なんだよね。
「まぁ良いや。そろそろ疲れたし、一旦休けっ…………、--あ?」
ゴブリンの頭を潰してからまた三十秒後、新しいゴブリンが現れたのでいつも通りワンドをフルスイングした私は、いつもと違う手応えに一瞬フリーズした。
見ると、低木から現れた最初のゴブリンの頭を狙った私のワンドは、明確なヒット判定を貰えず、追加で現れた別のゴブリンにワンドを掴まれていた。
…………は?
「なんで三匹ッ--……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます