第3話

 あの日。彼女が来てからというもの、振り回されっぱなしである。


 書斎のカーペットにコロコロを掛けながら、彼女が話しかけてくる。

「それでですね、昨日教授がひどいこと言うんですよ〜」


 その言葉を遮って、イライラを隠さずに言う。


「書斎の掃除は契約に含まれていないと、いつも言っているんだが」

「やだなあ、サービスですよ〜」

「不要だと言っているんだ」

「だって〜〜、ひとりで黙って掃除していると寂しいじゃないですか〜」

「仕事の邪魔なんだが!?」


 今日も、彼女はミニスカートをはいてきた。


「大体、掃除するのにそんな格好するのはどうなんだ?家政婦紹介所で、スカートは禁止になっていると聞いたが?」

「やだなぁ、先生だけの特別サービスですよ〜〜」

「そんなサービス頼んじゃいないんだが!?」

「え〜〜不満ですか〜?」


 スカートの端を持って、ピラっと上げる。


「じゃあ・・・先生には、特別にもっとサービスしちゃおっかなぁ〜」

「いいから!仕事の邪魔だから出てってくれ!!」

「え〜〜いいんですか〜?」


 渋々と出ていく、お手伝いさん。

 と思うと、扉を少し開け顔を覗かせてきた。


「それとも・・・おっぱいのほうがいいですか?」


 胸をよせる仕草をする。


「いいからでてけ!」


 クッションをなげつけると、キャハハ!と笑い声を上げて去っていった。


 

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