66 『カルテットブレイド』
「クオーターファイナル第三試合の時間だー! まず姿を現したのは、『
クロノ紹介と選手たちの登場に、会場が盛り上がっている。
だが、サツキたちはのんびり穏やかだった。
「次の試合まで、まだ少し時間がありますからね。ゆっくりしましょう」
「それで、スコット選手とカーメロ選手との試合が終わったらお昼ごはんにしようね」
と、クコとアシュリーが言った。
サツキとミナトは、三日前にヒヨク&ツキヒとは戦っている。同い年で
しかも強い。サツキとミナトは彼らに敗北してしまった。
前回大会第三位のバディーが相手であろうと、ヒヨク&ツキヒなら勝ってしまうだろうとサツキは思っていたが、結果は思っていた以上に実力差があった。
ヒヨク&ツキヒは怪我一つすることなく、しっかりと勝ち切ったのだ。
四本の剣を同時に扱うビリエルのことが気になっていたミナトも、その四本の使い方を見て充分に満足していた。彼に実力がまだ足りないゆえ、どんな使い方をするかだけ見られたらよかったのだろう。
「手首を回して、常に二本の剣が手元にあるだなんて、おもしろかったなァ。手品師みたいだったね、サツキ」
「いや、曲芸師だろ」
「自分と物に磁力を与えて、それを剣にだけ付与した、とかかな?」
ミナトの推測に、シンジが笑いながら教えてくれた。
「あれは魔法じゃないよ。器用に左右の手に二本ずつ剣があるようにコントロールしてるんだ」
「では、魔法は?」
「魔法はその剣を回転させる《ドリラー・キラー》さ」
「確かに、急にドリルみたいに回転してツキヒくんの剣を弾いたことがありましたねえ」
と、ミナトが思い返す。
サツキは見ていて、魔力の動きで回転のほうに魔力が使われ、そちらが魔法であることまでは観察できていたが、ただ急速回転させるだけの魔法だとは思っていなかった。
「もう一人の方はわかりますか?」
「あれは鎧と盾の表面をつるつるにしてどんな攻撃もすべるように……」
そんな話をして分析したり戦術を考えたりしていると、また次の試合が始まる時間になった。
再びクロノが舞台にあがり、進行してゆく。
「さあ! クオーターファイナルも残り一試合となった! 次は第四試合だ! すでにAブロック、Bブロック、Cブロックの勝者三組が決まった。うち二組は期待の新星で予選トーナメントから勝ち上がってきたバディーだが、Dブロックはどうなるのか。魔法戦士たちよ、舞台にあがってきてくれ!」
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