第29話 タトゥーを持つ女3

舞子が「私には感染しないの?」

八重は

「私は同級生の一人から話を聞きました」

どうやら移動条件があるらしい、多人数での噂では動かない

2人の状態がトリガーに思える


舞子には詳細を説明して無い、だから感染しない

「それで今度は玲子を裸にするの?」

なんか笑っている舞子が怖い

「確認はもう終わってるから脱ぎません」


電話を取り出すと巫女の美成(みなり)に連絡を取る

ん?でも電話経由では感染しない?

「呪いかもしれないわ、玲子だけ来て」

発動条件が二人の距離ならば、電話では感染しないだろう。


神社に行くと

「玲子、じゃあ脱いで」

いきなりだ、トカゲを確認するために上半身は裸になる

スカートも脱いで、うつ伏せになる

「首からは移動している、今は肩甲骨よ」


トカゲが居る場所には、なんの感触もない無痛だ。

美成は背中を触りながら

「かなり古い『障り(さわり)』のようね

 発生理由は判らないけど数百年?、もっと前かもしれない」

「そんな古いものが、今でも残るの?」

祟りのような悪い影響が出る場合は、年数を経れば力が強くなる。


「これは動物霊が人に憑いたものね。

 動物の知能が低いとあまり影響は出ないわ。

 この子は、憑いた状態を維持するだけの力しかない」

「無害って事?」

美成は

「まぁ体に影が出るくらいね、

 この子は人に害を与えないように進化したのかも?」

と予測した。


私は「塩では退治は無理?」

美成は

「そうねぇ、あなたの全身に塩をまぶして放置なら

 逃げるかも?」

「海はだめかしら?」

「それで退治できるなら恨まれた人を海に放り投げれば終わるわ」

海に居る幽霊には塩は効かないのだろうか


「今はこのトカゲを固定化させて、対策を後で考えましょう」

美成は人を呼んだ「武雄きて」

「◆△ん○!※」

言葉にならない声が出た。


「まって武雄がいるの?」

「助っ人が必要だったから呼んだわ」

私は今はうつぶせでブラも外している

背中は丸見えだ、背中だから別にいいのか?

いやダメだ、パニックになりながら

「なんですか?」と武雄の声が聞こえると絶句している様子だ。

こっちも絶句するわ。


「まずどこに固定化するかだけど、

 見えない場所で、脇の下か足の裏か内もも?」

私に質問をしているが、硬直して答えられない

「武雄は、どこに固定したらいいと思う?」


しばらくすると

「脇はプールなどで見つかると思います

 足の裏も同じように素足の時に見える筈です

 内ももは・・・」

と武雄が答えた


「内ももはダメー」

私は叫ぶ、そんな所に入れ墨があるとか怖すぎる。

それに固定化する時に広げるハメになる

「はぁーしょうがないわねぇ、じゃあ、お尻で」

美成はいきなりパンツをずらし始めた

ぎゃーぎゃー言いながら私はパンツを死守する。


「大丈夫よ、ちょっとずらすだけだから、

 いい歳なんだから恥ずかしく無いから」

恥ずかしいわ、この女は何を言ってる


「武雄に憑依させて、尻に固定化すればいいでしょ」

私も必死だ

「えーひどいわね、武雄君のお尻をみたいわけ?」

「美成さん、俺は部屋を出ますよ」

武雄もさすがに、この状況を見てられないようだ。


美成は

「たぶんこのトカゲは爬虫類特有で、女性にしか

 取り憑かないから」

と冷酷な宣言をする。


「大丈夫だって、映画でよくあるでしょ?

 腰に近くて下着で隠れる場所だから

 見えないから、ちょっとだけ我慢して、すぐ終わるから」

私はなんとか落ち着くと

「タオルを持ってきてください」


武雄が持ってきたタオルで下半身を隠すと、少しだけずらす。

「もうちょっとかなぁ?」

またずらす

「もう勘弁して」


後で聞くと、武雄が持ってきた針のような呪具でトカゲを

追い立ててから、臀部(でんぶ)の上で刺した。

固定化したトカゲは動かなくなった。


私はタトゥーを持つ女として、今でも学校に通っている。

身体検査でお尻を見られるまでは、校則違反にはならない。


終わり

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る