口外厳禁


「昔の戦争はカッコよかった!見てみろ!この軍艦に零戦!そして陸軍の熱い大和魂!」


日本のミリオタがそう言って憚らない。


「偉大なる米国の大いなる美しさへ戻る」


老境にさしかかろうとする軍人が叫ぶ、原爆投下すら肯定している者だ。


暴戻ぼうれいという言葉があり、それに相応しい。


「ネオナチがいっぱいだ!最後の聖戦!」


同じく元スパイマスターが錯乱していた。


とある男は女狐が如くこんな事を思う。


「綺麗な戦争が出来ると思うなよ」


破壊工作以下、破壊工作未満の言質だ。


中二病はよく知られているが高二病というのがある、物語やその設定のいわゆる中二的要素を必要以上に嫌悪する。特に天才や美形といった派手な要素や特殊な漢字表記・ヴ行単語などに大きく反応を示す。玄人・通を気取り、人気がある・有名な・流行している物や作品を嫌う。理想や前向きな理屈を綺麗事・ご都合主義と嫌い、逆に悲観的な正論と妥協を好む。評論家のようになり、最初から期待することをせず、前情報から粗探しに終始する。努力や根性、縁の下の力持ちなどといった泥臭い・渋い要素を好む。ファンタジーやSFなどの話に対して現実・現代的価値観の面から突っ込みを入れ始める。日常物などのいわゆる平和で明るい話よりも、病んだ状況・言動や暴力・修羅場などが多い暗く陰惨な話を好む。ストイックを気取り、大衆など広い対象に向けた物事を「ゆとり向け」と嫌う。オタク的要素を嫌う。(ただし、オタク文化内における高二病の場合はその限りではない)大きな流行を避ける行為を見下す一方で、そのアンチ流行的態度をさらに回避しようとする。といったのが症例だ。


そこに光は少なく、闇の方が多い。


あえていうが、それは大衆受けしずらい。

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