乙女ゲー的異世界に転生したけど、仲間はずれよくない！！！

乙女ゲー的異世界に転生したけど、仲間はずれよくない！！！

　不幸にも、とある災害の犠牲者となってしまった鳴戸和。

　書物を読める年齢になって判明したのだが、どうやらここは前世で一時期ブームになった『カラーズメモリー』という乙女ゲームの世界のようだった。

　（まあだからどうってわけでもないか。攻略キャラたちに近付かなけりゃストーリーには巻き込まれないだろうし）

　だから前世のマンガやアニメやゲームで見ていた魔法を思う存分再現するのだ。そして好きに生きる。

　そう決意して、国立魔法学院に合格したものの、入学式のその日に衝撃的な出会いをする。

　「……ちょっと右から順番に自己紹介して」

　「オレ？　オレはアンバー。この学院の理事長の息子や。仲良うしたってな〜」

　「ただの学院を裏から牛耳る影の支配者にしか見えねえ！　次！」

　「カクタス。この国の近衛騎士団団長の一人息子」

　「元々のイケメンにイケメンな役とか与えんな！　次！」

　「オレはレグホーン。木こりやってたんだが親の借金のカタに貴族の家に引き取られイマココ」

　「前世ゴリラみたいとか言ってたから木こりめっちゃ想像つくけど何その経緯！　次！」

　「アタシはシナモン。実家が城下で仕立て屋をやってるのよ〜。ということで今日寄ってかない？」

　「なんでオネエになってんだよお前っ！　次！」　

　「はーい、クラレットでーす。ハンター兼留学生なんよ〜」

　「ハンター!?　一狩り行こうぜってか!?　次！」

　「おれはゼニス！　昨日頑張って家フル改造したから誰か来いよ！」

　「愉快犯に魔法なんて与えたらこうなるに決まってんだろ馬鹿野郎！　次！」

　「バーミリオン。この国の第二王子だな」

　「なんでやねんっっっ！」

　最後に、きれいな空を見上げて全力で叫んだ。

　「なんで俺だけ性転換してんだよチクショオオオオオオオ！！！」

　別に攻略キャラになりたかったわけではないが、どうせなら男のまま異世界転生したかったです神様クソ野郎。