第60話

翌朝準備を終えた僕達は

おじいさんがくれるものは毎回びっくりさせられるからワクワクしながら宿屋に向かった


「エスタくん、おはよう」


宿屋に入るとおじいさんが待っていたかのように挨拶してきた


「おじいさんおはようございます!」


「エスタくんこれは他の人に絶対に見つから無いようにしなさい!いいね?」


何を渡されるのかビクビクしながら返事をする


するとおじいさんに腕輪を渡された


「おじいさんこの腕輪はなんですか?」


「この腕輪は短距離転移の腕輪だよ」


これが本当なら国宝級のアイテムじゃないんだろうか?

本当にいいのかな


「短距離転移ですか?」


「ああ、その腕輪に転移と声をかけると100メートルだけ転移することが出来るんだ」


「そんなにすごいアイテム…」


「わしはもう使うことがないからね

エスタくんはダンジョンに潜ったりするんだろう?

ボスの部屋は1度入ったらボスを倒すか死ぬしか扉が開くことは無い

でもその腕輪を使えばボスに負けそうになった時に扉を出てまた挑むことが出来るんだ

本当に危ない時に使うようにしなさい」


「ありがとうございます

大事に使わせてもらいます」


特におじいさんに何かしてあげた訳でも無いのにこんなにいいアイテムをくれるなんて…

絶対に大事にしよう


何度も何度もお礼を言っておじいさんに別れの挨拶をして南の草原に向かった


クリスが昨日のうちに念話で説明をして恩人?達は南の草原に来てくれているようだ


南の草原にいたのは1匹の猫だった


「本当にテイムしてもらったんだね

良くして貰っているのかい?」


猫は心配そうにクリスに話しかけた


僕はこの猫を知っている

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