それでも私は生きていく

水月美都(Mizuki_mitu)

1章

第1話


――20■■年日本――



 世の中は混沌と破壊が渦巻き、平和の言葉すら見当たらない。



 当たり前の様に戦争は起こり。



 当たり前の様に人が死んでいく。



 そんな、世の中に嫌気がさして、地下に潜った人類がいた。



 その者達は超人類と称し。



 特殊な技能を持つに至った。




 ただ、生き延びるために――






「全く嫌になっちゃうね。何でこんな世の中に生まれちまったんだろ」


 近所のおばさんが、何時も言うセリフだ。

 私は毎日それを聞くと、両手で耳を塞ぎたくなる。


(仕方ないじゃない。誰でもそう思ってる)


 声に出して、叫びたい衝動に駆られる。

 だけども私は、ただ困った様に愛想笑いする事しか出来ない。


「ミサちゃんも、このままだと結婚出来ないねえ。彼はまだ?」


 本当にこの人は。私の心臓をえぐり出す事を平気で口にする。

 これ以上何か言われたら、私も我慢の限界に達して、叫び出してしまう。

 用事が有ると言って足早にその場を離れた。




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