#031 OPERATION03:市街地戦闘と皇城内戦闘(上)
海岸を占拠し南門を抑えた後は、市街地に戻って帝国兵を蹴散らしその先にある皇城に乗り込んで人質のまま女王となった
「――市街地戦では、戦車部隊は空挺部隊の支援だけでいい。細い裏筋から逆強襲されたら歯が立たない」
「でも、それだと・・・空挺部隊だけだと、戦力不足よ?」
「強襲揚陸部隊を前線に向かわせられるか? ・・・無理か?」
「ヘリボーンなら楽勝だろうけど・・・、高さが――」
「平均で10メートル、高い所で12メートル。 おおよその高さでは」
「そう・・・。 なら、可能ね」
現在、南門内に敷設した仮拠点で今後予想される市街地での戦闘会議をアルトリア・ラーミスとカトリーナ・メルフォン、その他の部隊長達としていた。
「カトリーナ。 最後に・・・、もし俺達と無線がつながらなくなった時は
「でも・・・!」
「いいから・・・。 それが俺の
「・・・分かったわよ・・・」
「よし、朝日と共に攻撃開始!」
こうして会議を終える頃には、東の空が白み始めていた。
++++++++
午前7時。
あれから30分ほど仮眠をした後、空挺部隊と共に現地の人を装って市街地を目指していた。
「――ところで、総大将? 質問、良いですか?」
「ん?」
「なぜ、現地人に変装する必要が?」
「ニンジャのように静かに且つ迅速に市街地に行くためだ。 それに、身分証が居るようなら嘘を吐いて商人だと言えば、難なく通してもらえるだろう?」
「な、なるほど」
ちなみに市街地戦になると踏んで空挺部隊とアルトリアが装備しているのはMP5KとP90だ、P90は5,7×28ミリ弾を50発撃てる
南門と海岸を繋ぐ街道を歩いて30分後、フォーゲル皇国の南門が見えて来た。
南門まで15メートルとなった時、友軍を示す緑色の照明弾が空に上がった。
「あれは・・・、味方の印です!」
「そのようだな。 よし、二手に分かれろ。北門に
「「はい!」」
「こちらJACKAL、南門に居る
『――
「了。 我の位置、南門下」
無線を切り、アルトリアが目配せをすると空挺部隊が二手に分かれて奇襲に向かった。
++++++++
同時刻。フォルシア王国の無人島にある航空基地では、F-15の派生型である機体を黒く
『――管制塔から各機へ。Run Way01 Clear for take-off. (ランウェイ01からの離陸を許可します)』
これに答えるために順番に『Roger, cleared for take-off.(了解、離陸します)』と、返事を返して
航空機を扱うという事に関して、それは英語を覚えるという事になる。幸い、俺には前世の記憶がある。
基礎から応用そして日常会話から応用会話へと幅広く教えた結果、特別作戦傭兵連隊は英語を多用する軍隊へと急成長を遂げた。さらに、英語はこの世界の人々にとって未知の言語だ。だから、非常事態に陥った際に有効な連絡手段としても使える。
『――Good luck.(幸運を)』
機内にある航空無線に管制官から
一方、フォーゲル皇国の北門では空挺部隊VS皇国兵隊との激しい攻防戦が始まっていた。
「――押し出せ! 皇国内に敵兵を入れさせるなぁ!」
「
アルトリアの指示に合わせてセレクターを切り替えて
「――ギャハァアァァァァぁぁ!」
「グワァァァァァッぁぁぁぁ!!」
「た、たたた、助けてくれぇえっぇぇぇ! ギャァ!!」
P90の弾丸はこの世界の鎧なら、いとも簡単に容易く撃ち抜いてしまうほどの威力を持ち合わせている。それに対して敵兵士達の防具は、
P90を前にして、仲間の遺体を見た敵兵士から
その後ろから空挺部隊を率いるアルトリアが、脚を1歩ずつ皇都内へ歩き始めた。
++++++++
北門を制圧した空挺部隊は周囲を警戒しながら着実に、今回の真犯人であるオットー・フォーゲルを追い詰めていく。
もちろん、それを伝令から聞いたオットーは「――クソッタレガァ! この俺を、追い詰めやがって、それに・・・!現代武器はチートだろうがアァ!」と発狂して近くにいた奴隷の女性を力任せに蹴っていた。
すると、眼に光が無い元第一帝女のサラ・ポートリマスが「そんなに怒って居たら、血圧がたかくなりますわよ?」と“無感情”で言った。
「えぇい! うるさい!黙れ、ダマレ、だまれぇい!」
サラ・ポートリマスを怒鳴りつけると何かを閃いたのか、オットーは近衛兵達に反物理防具を貸し与えて「これで、蹴散らして来い! そして、アルトリア・ラーミスだけは殺せ!」と命令を下した。
近衛兵達は
「――ガハアァ!」
後方にはP90を持って守備兵達の
「あれか・・・、全軍。 進撃開始!」
もちろん空挺部隊員も弾が降り注ぐ中を構わず突き進んでいく近衛兵達を見過ごすはずもなく銃口を向けて射撃を始めた。しかし、近衛兵達が身に着けている反物理防具が接近してくる銃弾を弾き返していく光景に空挺部隊員達は絶望の顔色に変わりながら、近衛兵達がアルトリア・ラーミスへの接近を許してしまった。
「貴様が、アルトリア・ラーミスか?」
「・・・だとしたら、なんだ?
次の瞬間、何処からか取り出した12,7×99ミリNATO弾を12発撃てるM82の
・・・しかし、ゼロ距離射撃の大口径弾が逸れて背後の壁に着弾した。
「・・・ん? 何かしたか?」
「――S〇IT!(クソッ!)」
迷わず引金を引いて次弾を発射したが、これも背後の壁に着弾した。
「フッ・・・! ハハハハハ! 効く訳、有らず!」
恐怖と絶望に染まったアルトリア・ラーミスの腹部を近衛兵の剣が貫いた・・・しかし、手ごたえがない。
「――マヌケってさ、
「なに!? ――?!」
上から声が聞こえたので、
「俺だって、別に銃だけの使い手だと言った訳じゃないけれどさ。もう少し、
アルトリアが隠していた右目にかかった髪を掻き揚げて右手にはM82では無く、無詠唱の魔法陣だった。
「な、お前は・・・! 有り得ない!!」
近衛兵は自らの防具を全て脱ぎ捨てて、「学院でかかされた恥を、今。お前に返してやる!」と言って魔法弾を連射してきた。
しかしどれもアルトリアの手前で爆発して
近衛兵の顔が青く染まっていくが、魔法弾が次々と飛んでくる。
「なぁ、その程度か? もっと、撃てるだろ?」
アルトリアは、魔法弾を全て
「ほら、ほら♪」
「当たらない、当たらない! 何故だ!!」
しかし、反物理防具を脱ぎ捨てたのは彼の判断ミスだ。
その瞬間を俺は、待って居たぁ!
素早く空挺部隊員にしか分からない
「――なんだと? ハッ!しかし、魔法弾を数撃ちゃ当たるのさ!」
「いいや。 お前は反物理の装備を自ら脱ぎ捨てた!つまり、撃てば必中する!!」
「――! しまった!」
脱ぎ捨てた防具を探している間に空挺部隊員にM16をマークスマンライフルに改良したAR-15や12ゲージ弾を連発出来るAA-12などを取り出してはあちこちに投げ渡し始めた。
それを空中でキャッチした者からアタフタしている近衛兵に狙いを定め始めた。
そして、「さぁ、ショータイムだ!」と言い放ったアルトリアの言葉と同時に、ハチの巣にし始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。