第7話


 7話



 そこはスタジオと言うには完璧で、朝潮の瞬間を感じた。

 別に特別な設計をしている訳では無いだろう。ただデカくて、防音がちゃんとしていて、・・・一つ一つの設備を最大限高めたのがこの空間なんだろう。


「すげぇ。」

「じゃあ、そろそろ始めましょ。もう0時なんであんまゆっくりするのは次の日に響いちゃいます。」

「お!やる気あるな。」


 良かった。剛毅さんももう慣れて驚く事がどれだ意味が無いか分かったのか、もしくは今だけここがただのスタジオだろ思っているのか・・・さっきの豪k持参に戻っていた。


 驚いた状態で、教えてもらうのはいやだったし、戻って来てくれて良かった。


「・・・よし、はじめるぞ。」


 そう言い、このスタジオに設置されている。超高性能スピーカーから音楽を流し始めた。


「・・・・ヒットのやり方までは教えたよな?」

「はい。」


 その日の夜は深く俺にとって満足出来る日だった。


 ☆



 その太陽の明かりはこれからの学校生活を祝福する様な、綺麗で情熱にみちていた。


 機能の指導を思い出しながら、スムーズにベットから出て自部屋にある鏡を見ると、自分の動きをよく見てしまう。


 昨日教えられたことは結構単純だった。ただ、こんな練習を指導する人とは今まで会った事が無かったから新鮮でそれなりに楽しかった。こんな思い出にふけるのも俺がそれなりに上達したからだろう。


 上達したからこそ、その練習に対して敬意を持てるし終わったことと思える。


 少し鏡の前で、昨日を練習を思っているとドンドン時間が過ぎていく。寝起きだからか、それとも少しうごいて心拍数が上がったからか、時間が速く感じる。


 流石にこれ以上ぼーっとするのは学校生活に支障が出てきてしまうので、仕度をしよう。


 仕度をするために、リビングに出るとそこには見覚えが無い、箱が積んであった。


 ・・・・こんな事は今まで結構あったので、警戒するだけ無駄だろう。

 田中さんの仕業だ。仕業と言っても、やってくれたな!とかそう言う訳では無く、反対にありがとうございますとお礼を言いたい方だと思う。


 俺は警戒する事無く、段ボールよりも高価で品質が良さそうな箱を開けると、そこには昨日頼んでいた道具。


 ダンスに必要な物。と言って頼んでいた、道具が入っていた。


 ・服・シューズ・スピーカー等など。


 いろんな物が入っていて、服の一つ一つもセンスが良くて、よくあの時間からここまで良い物を手配出来たな。と思ってしまう、が昨日の田中さんを見ているとそのくらいできてしまいそうだ。


 ・・・箱の中身だけで、100万くらいには届きそうだよな。


 ただ、これから学校なので一つ一つ見て整理する時間はない。

 しょうがないので、箱の一番上に合ったシューズと服を、箱の中に入っていた袋に入れて、行くことにした。


 ※もちろん教科書とかも学校用のバックに入れています。


 電車に乗り学校に付くと、今は朝連の時間であまり人がいないみたいだ。

 きのう心さんから朝連があるからよければ来てよ!と言われたので、速い時間から着ているのだが、・・・このまま直行で部室に行けばいいのかな?


 どうしようと悩んでいると、後ろから聞き覚えがある声が話しかけてきた。。


「お!光ヶ丘だ。よくきたね。」

「阿部さんおはようございます。阿部さんも朝連ですか?」


 数少ないダンス部の男子。俺をダンス部の部室に案内してくれた3年生。去年は来てなかったみたいだけど、、、


「・・・お前の様子を見に来たんだよ。折角良さそうな人間が入ったんだから、見なきゃ損だろ。」

「あ~そう言う事でしたか。分かります。・・・俺もカバディの時はいろんな人を勧誘しまくってましたもん。」


 カバディ。競技人口がまだ少なくて練習をするにも人数的に結構大変な競技だ。

 それでも面白かったからやっていたけど。良さそうな新人が入ると、やっぱり気にかけちゃうんだよなぁ~


「あ、そうだ。部室にはこのまま直行していいんですか?朝連やります!的な事を先生方にいう必要は?」

「大丈夫だよ。そのまま部室に行けばいい。・・ほら行くぞ。」


 いやー何っかこんな時は先輩に頼りがいがあるな~。

 昨日の、感覚型の特徴を前面に出した教え方を忘れたら頼れる先輩だ。


「おはようございます。」

「おはようございます。」


 部室の扉を開けると、結構人がいて昨日の放課後の部活と同じくらい人がいた。

 朝練は来れない人とか居るのかなと思ってたけど、皆ちゃんと来ているんだな~・・


 あれ、でも一年生は俺だけだな?


「は~い!皆集まったね。じゃあ、基礎練を7時から始めるから準備してね。」


 あ、もうそんな時間か。

 それなら、さっそく着替えようかな。皆も気がいてるみたいだし。


「・・・うん。」


 なんかカッコいい服を着ると気合が入るよね。それに、この服には俺が作ったブランドの名前が入ってる。

 こんな服を作ってもらった覚えはないけど、、、、田中さんが作ってくれたのかな?


 俺のブランドとは言ったが、運営しているのは基本的に田中とその他だ。俺が関わる時はそんなにない。

 だけど、俺がこういう風に何か道具が欲しいと思った時に、緊急でも作ってくれるようにしているから結構助かっている。

 正直、昨日の昼に言ったならまだしも、夜中に言ったのだから無理だと思ってた。


 だけど、俺の想像以上に運営の人は気合が入っているみたいだ。・・・対価として、休止を破ってまで小説を田中さんに渡したけど、何か他にもねぎらいとして渡した方が良いかな。


「お!光ヶ丘も服を買ったのか!それは何処のブランドだ?」


 あ、さっそく阿部先輩が食いついてきた。・・・この人、感覚派だとは言えダンスの事は純粋に好きみたいなんだよな。

 まあ、服のブランドを言うのはべつにいいかな。


 言っても恥ずかしい様なブランドだとは思わないし。・・・このブランドで全国にでたしね。主に靴として。


「えっと、全身。shineっていうブランドです。知ってますか?」

「・・いや分からん。」


 あれ?俺が思っているより知名度はない?そう思ったが、その瞬間何処からか大きな声が聞こえた。


「え!それ本当にshineなの!?」

「・・・知っているのか?」


 近くにいる女子の声だ。


「当たり前だよ!反対に阿部くんは知らないの?」

「そんなになのか?」

「だって!ペ・・チ・・ャ・ク・・チャ」



 いや~、自分が運営していないとはいえ、自分のブランドを褒めてくれるのはうれしいな。このブランドは成り行きで作ったけど初期の頃はそれなりに大変だったし、自分を褒めているようで嬉しい。


 あれ?阿部さんがこっちをむいた。


「・・・」


 何も聞き取れない?・・・ああ、すっごい早口だもんね。後で俺から改めて言おうかな。


「は~い!みんな並んで!」


 あ、集合が掛かった。

 するとまだ話したりなさそうなshineが好きな女の子はしぶしぶ前の方に行った。


「・・・ふう。・・・怖いな。」

「このブランドが好きなのは嬉しいんですけどね。」



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