Irremplaçable

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「面白い…」

「どこが面白いんですかっ」

 そうだな…。

 その計算されてない天然なところかな。

志波しば、ちょっと…」

「ほら、面白くないじゃないですかっ」

 志波は小声で上司に呼ばれて、俺に向かって小声でそう言い残して会議室へと連れ込まれた。

 仕事を必死にやってるのは、見て分かるんだけど、いつも何かしらやらかしてる志波は天然だと思う。

 計算して失敗するヤツなんていないと思うし…。

 あまりフォローし過ぎるのも良くないから、上司には間違ってますけどって志波の書いた提案書を提出した。

波須はすさん、わかってたなら言ってくれてもいいじゃないですかっ」

「それじゃ志波の為にならないじゃない?」

「笑いながら言いますか?」

はぎおぎの違いがわかるようになったからいいじゃない…」

 志波は漢字が苦手でよくクライアントの名前を間違える。

「何で、間違ったんだろう…」

「さぁ…」

 必死で考えている志波に、今日一緒に帰ろう?ってメモ帳に書いて渡したら、断ると返事が来た。

「漢字の勉強して帰ろう…」

「志波、そんなに頑張らなくても…」

「波須さんに迷惑かけたくないですもん…」

「何、それ…」

 可愛いんですけど。

 仕事場じゃなかったら、抱きしめてるところだったわ。そのまま押し倒してた。間違いなく。

「波須さん…?」

 その衝動をフワフワとしたお昼寝用の簡易枕にぶつけていたら、志波がいつの間にか目の前にいた。

「ん…?」

「教えてください。家で」

「いいよ」

 家に来たところで、やることはひとつなんだけど…。そう思ってまた笑った…。

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Irremplaçable @tamaki_1130_2020

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