第86話
「ぬっ…!?おまえ…まさかそのデッキは……そういう事か!!」
「「悪魔の契約書」を発動だ!手札を1枚捨て「ファイヤーデビル」と「ホワイトデビル」を蘇生。行け!!」
「なる程。そう来るか」
大助は余裕を持ってこの事態に対応する。
「「妖精の導き」を発動。呪いの妖精を1体破壊してその2体の魔物を攻撃不能にする」
「む…!?」
大助の素早い対応にシュガーが驚く。だが彼女もまたこういう事態は想定済みだ。
「それならこうするまでだ!さっき捨てたあのカード、あれは効果で捨てた場合にのみ特殊な能力が使えるようになる!!」
「「契約破棄」を発動だ。ファイヤーデビルとホワイトデビルを破壊して、SPデッキから「グレートデーモン」を特殊召喚する!!」
「出たな…スペシャル魔物」
スペシャル魔物とはデス4における切り札のようなものだ。召喚条件や発動条件は難しいがその分強さや能力は超強力なものになっている。
■金本大助 残り手札6枚 残りライフカウンターは3つ。
■シュガー・カフェリア 残り手札5枚 残りライフカウンターは4つ。
「グレートデーモンの効果でお前は手札を2枚捨てなければいけない。くははは!さあさあ苦しむといいぞ~!!」
「ハンデス効果!?まじかよ…そんなの反則じゃねえか……」
「うはははは!!2枚も捨てるのはヤバいよな~?戦うカードが無ければそもそも勝負は成立しない。つまりハンデスこそ最強の戦術という事だ!!」
シュガーの表情から余裕が溢れる。そしてこの瞬間をこそ大助は待っていたのだ。
「…ふふ。まあそう来ることは分かっていたけどな」
「む…?」
「お前には俺がこれから捨てるカードを教えておこう。手札から破棄するカードはこの2枚だ。「妖精との冒険」と「妖精との旅路」この意味が分かるな?」
「げっ!?」
妖精との冒険、そして妖精との旅路は手札から捨てられた場合にのみ発動できる特殊効果を持っている。
「おまえ…私のデッキがどういうものか知っているな!!」
徹底的に対策された大助のカウンターデッキを見たシュガーが確信する。この男は間違いなく自身のデッキと戦法を把握していると。
「ああ。ミルフィーが保存していたおまえの対戦動画をいくつか見たんだが…おまえはどうにもハンデスに固執している節があったからな。そりゃ当然対策はするさ」
「むむ……」
「続けようか。ともかくおまえのグレートデーモンの召喚効果は必ず発動しなければいけない類の効果だ。分かっていても止める事はできない」
「「妖精との冒険」の効果でお前の魔物グレートデーモンは「小さな妖精」に変化する」
「ぐう…」
「そして「妖精との旅路」の効果発動だ」
「自身のライフカウンターを2つ破壊し、相手の魔物1体と自分の場か手札から魔物を1体捨て、SPデッキから妖精族の魔物1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる」
「なにっ…!?」
「SPデッキから、俺はこの魔物を召喚する。来い!「呪いの妖精王女」」
■金本大助 残り手札5枚 残りライフカウンターは1つ。
■シュガー・カフェリア 残り手札6枚 残りライフカウンターは4つ。
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