第76話
「はい。これがデス4で使えるカードよ」
「おお。これが…」
ミルフィーから41枚のカードを貸してもらった大助がそれをじっくりと眺める。
(ん…?41枚?40枚じゃなくてか?)
「デッキの枚数に制限はあるのか?」
「下限が40枚。最大で50枚まではOK。それと同名のカードの枚数は3枚まで。ほとんどの人が40枚でデッキを組んでるわよ」
「なる程。デッキの回転率とかその辺の問題か…」
「その通り。中々詳しいじゃない」
大助はその手のゲームを飽きる程プレイしている。カードゲームの共通理論事態は熟知していた。
「ふむ…41枚で組んでる理由を聞いていいか?」
「ふふ。大丈夫。その疑問は直ぐに解決できるわよ」
「…?」
訝しげな表情のまま大助とミルフィーが共に距離を取る。
「さてと、それじゃあそのデッキの中から「スタートカード」を取り出して」
「…これか?」
大助が奇妙な魔力を発しているカードを取り出す。
「正解。それじゃあ私の後に続いてこの呪文を唱えてちょうだい」
「___‘デス4スタート!‘」
ミルフィーが目の前に向ってカードを投げる。
「___‘デス4スタート!‘」
それに倣い大助も同じようにスタートカードを投げる。するとその瞬間、強力な結界が二人を包み込んだ。
「結界術か…?だがこれは……」
それは大助も見たことがないタイプの奇妙な結界だ。興味深そうにキョロキョロと辺りを見回し始める。
「不思議よね。そのカード自体にデス4専用の上級結界が組み込まれてるみたいなのよ」
「こんなカードどこで手に入れたんだ?」
大助が至極当然な疑問をミルフィーに問いかける。
「あんたも「端末」持ってるでしょ?デス4のアプリの初回登録を済ませれば直ぐ貰えるわよ」
(アプリなんてあるのかよ!?)
大助がスマートフォンを取り出した瞬間、突然アプリの更新が始まった。そして画面にメッセージが表示される。
<特殊アプリ「デス4」が解禁されました。インストールしますか?>
「もちろんOKだ」
大助がOKを選択しダウンロードが開始される。それを見届けた後、スマートフォンをポケットに再びしまった。今はアプリの操作よりもミルフィーからの情報の方が重要なのだ。
「この結界自体に攻撃性は無いから安心していいわよ。むしろプレイヤーを保護してくれるから感謝した方がいいわね」
「そりゃ有難いな」
そしてミルフィー講師のチュートリアルは続く。
「あんたの後ろにある、4つの四角形が見える?」
「ああ」
大助のやや後ろ側にはいつの間にか4つの緑色の四角形が存在していた。
「それがあんたのライフカウンターよ」
「ほう…」
「デス4の勝利条件は2つあるの。1つは4つある相手のライフを全て削る事。そしてもう1つは相手のデッキを0にする事。ここまではOK?」
「ああ、続けてくれ」
「了解。それじゃあこのまま続けましょうか」
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