第12話 不服そうな表情
ロネリーとウンディーネも、俺の背後をキープしながら、
どちらかと言うと、彼女たちが
「普通に強いよな……ウンディーネ」
ぽつりと
ウンディーネが打ち上げた沢山の水弾のおかげで、もう残りの魔物は少ない。
大きな
そのゴブリンは降り注ぐ水弾を気にも
「ダレンさん。後はそいつだけなんですけど、お願いできますか?」
「あぁ、任せてくれ。他の奴は頼んだ」
「分かりました。ウンディーネ、お願い!!」
背後のロネリーに
対する
「こいつ、強そうだな」
身長は俺よりも少し大きい程度だけど、
正面からぶつかるのは、あまり
直後、斧を振り上げながら突進してくるゴブリンを見て、俺は
例の
しかし、それらの
まぁ、さっきまで
地面から飛び出て来た槍を、右に大きく飛び
その瞬間を狙っていた俺は、大きく一歩を踏み出すと同時に、地面を強く踏みつけた。
足場を失った鎧のゴブリンは、
高さで言うと、2メートルくらいだろうか。
「悪いな。これはちょっと
ゴブリンを見下ろしたまま俺が告げた直後、穴の壁から無数の岩の槍が飛び出してくる。
重たい
当然ながら、岩の槍を全身に受けたゴブリンは、そのままぐったりと力を失ってしまった。
「よし。これで片付いたな。ノーム、一応周囲の様子を見て回ってくれ」
「あいよ~」
穴の中から帰って来たノームの声を聞いた俺は、ゆっくりと閉じてゆく割れ目を横目で見た後、ロネリーの方に視線を向ける。
「片付きましたか?」
「うん。こっちは終わった。ノームに、他に敵がいないか見てもらってるところだ」
「
そんな彼女を思わず見上げていた俺に気づいたのか、ウンディーネは少し顔をしかめながら問いかけてくる。
「なんじゃ? ワラワに何か言いたいことでもあるのか?」
「え? あぁ、そうだな。さっきも言いそびれてたし。助けてくれてありがとな」
「なっ!? ワラワは別に、おぬしらのことを助けようとしたわけじゃ」
「ウンディーネ、何言ってるの? このままじゃダレンさんたちが危ないって、勝手に出てきたのはあなたでしょ?」
「ロネリー!! 違う、違うぞ!! ワラワはそのようなこと」
ツンケンとした態度で俺のことを突っぱねようとしたウンディーネは、ロネリーの
そんな彼女たちの姿を見て、思わず笑みを
「おいダレン、敵はもう……おぉ!! ウンディーネじゃんか。珍しいな」
いつものように地面から姿を現したノームが、姿を現しているウンディーネを見上げてそう漏らす。
「ノーム。敵はもういないんだな?」
「お、おう。いないぞ」
「そうですか。それじゃあ、住民の皆さんを助けに行きましょう」
ロネリーの
その扉は、内側から閉ざされているらしく、外からは開きそうにない。
仕方がないので、ロネリーが扉に向かって声を掛けたが、返事が返ってくることは無かった。
そこで俺達は、ノームを中に送り込んで、説明をしてもらうことにした。
そうして、扉の付近にあった
なにやらぞろぞろと歩く足音が扉の向こうから聞こえたかと思うと、
「お、やっと開いたな。遅いぞノーム」
そう言って椅子から立ち上がった俺は、扉の
扉から出て来たその男は、左手でノームを掴み上げていて、右手でナイフを持っている。
「ノーム!?」
「動くな!! 動けばこいつの首を切り落とすぞ!!」
「お、おい爺さん!! ちょっと待て、落ち着け。そして、頼むからノームを離せ」
「
「ダレンさん。ここは一旦、お
「しかしロネリー。この
「ウンディーネの言う通りだ。
ギョロギョロとした目で俺達を
この爺さんに、仲間だと思ってもらえる方法は何かないか。
必死に考えてみるものの、そんな都合の良い考えが
半ば
驚きで愕然としつつ、部屋の一点を見つめる爺さん。
その視線の先には、ウンディーネが立っている。
「な、なんじゃ? ワラワをそんなに見つめるでない」
同じく、異変に気付いた俺やロネリーを置いてきぼりにするように、爺さんは小さく呟いた。
「水の……
そう呟きながら、そーっと
彼の手に掴まれているノームは、非常に
「おい、このヘンクツジジイ!! なんでオイラの話は信じないのに、ウンディーネを見た途端に態度を変えてんだよ!! ふざけるな!! オイラを誰だと思ってる!? 大地の大精霊様だぞ!!」
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