鏡魔女

Goodra

第1話 影を踏んだ

 赤レンガの街を影を頼りに、進んでいく。    見つかれば「死ぬ」。母がそう言った。祖母  がそう言った。周りがそう言った。

 恐怖は幼い頃から住み着いている。

私たちが、日の下を堂々と歩くことは出来ない。

 3世紀程前から、私たち魔女の取り締まりが厳しくなった。祖母がそう言った。それまで、皆と同じだったのにと。人間に娘を殺された血の魔女が怒り、魔女と人をわけたのだと。人間を消そうとしたと。人間は魔女を、ひどく恐れた。醜いと罵った。化け物だと避けた。人は魔法を使うのも恐ろしいと使わなくなった。いただきが魔女を狩り初めた。他より魔力が、強いものも狩った。

 魔女を1人でも多く狩ろうと、犬が警吏が目を光らせる。魔女の香りは人とは違うようだ。



 私は、影を得意とするから見つからずに様々な場所に行ける。人は影には入れないから。

 注意しないといけないのは、自分の影を無くすことだ。無くしたら、元には戻れない。

だから、本当は影を移動したくはない。でも、私にしか出来ないのだと託された。

 鏡の魔女を、探してくるように。ある程度目星はついている。犬と人の足音。私は息を止めた。


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