【フワーデ図鑑】モーラス・ネムラ
【妖異の名前】
モーラス・ネムラ
【概要】
霧の中に潜む巨大な不定形の影で、無数の輝く目と長い触手、そして大きな口と鋭い牙を持つ妖異。夜になると、霧とともに現れて徘徊し始めます。この妖異は、恐怖と支配を通じて人間の精神に強力な負の圧力をもたらし、それに屈した者を意のままに操ると言われています。
【画像】https://kakuyomu.jp/users/teikokuyouitaisakukyoku/news/16817330667396422835
【外観】
黒い霧の中に浮かぶ形の定まらない巨大な影のような存在。その霧の中には無数の輝く目が浮かんでいるように見えます。細い触手が霧から突き出ており、足元の太い触手を使って移動します。霧の中心には、大きな口があり、その中に無数の鋭い牙が並んでいます。長い触手を使って獲物に掴みかかろうとしますが、触手は対象に触れた瞬間、煙のように散って消えてしまいます。
【詳細】
モーラス・ネムラはシルヴァネイ村消失事件で、その存在が確認された妖異です。アシハブアにあるラーナリア大図書館に保管されている奇書プリミスティリアに、モーラス・ネムラについて、その存在を暗喩する詩編が残されていました。詩編においては「黒き雨」「闇に誘う狂気」「ネムラの獅子」といった呼称が使用されています。
詩編では、人の精神を恐怖によって支配し、生贄を捧げさせていたところを、勇者によって撃ち払われるまでの様子が詠われています。実体を持たない存在として描かれており、勇者の剣撃はまるで雨を斬りつけるかのようだったと表現されています。その後、勇者は幾度かの敗退を経て、最後には古代の呪文を詠唱することで、この妖異を払ったとされています。
実際に記録として残っているシルヴァネイ村消失事件では、生存者によって報告された消失直前までの村の様子が、この詩編に登場する犠牲者たちの姿と重なっていました。
以下に詩編とシルヴァネイ村事件との共通点を記載します。
・被害地域は、いずれも過疎化した村であり、モーラス・ネムラは当初、災厄から村を守る神として人々から受け入れられるようになります。
・人々の信仰心が高まるにつれ、彼らの精神をより強く操るようになり、ついには悪魔的な儀式によって生贄を捧げさせます。
・村人たちに恐怖を植え付け、さらに相互監視させて彼らが村を離れないようにします。
・生贄が捧げられるようになると、モーラス・ネムラはその姿を人々の前に顕現します。夜になると、モーラス・ネムラは霧とともに現れ、村を多い尽くすようになります。
・村人が行う儀式を上空から観察し、生贄が捧げられるのを最後まで見守るようになります。
シルヴァネイ村消失事件は、邪教信仰が疑われて逃亡中の貴族を追っていたラーナリア正教審問団20名が、この村に立ち寄ったことが発端となっています。
審問官と護衛騎士は、そのほとんどが数日のうちにモーラス・ネムラの生贄に捧げられてしまいました。
生贄に捧げられる直前、厚い信仰心によって自我を取り戻したファンネス・カースラス審問官が狂人を装って村から遁走し、数日後、王都へ向かう街道を進む商隊に保護されることとなりました。
保護されたカーラス審問官は、彼が見て来たものとラーナリアへの信仰だけを語り続けた後、最後まで狂人を装ったまま自室にて自らの命を絶っています。
自室の壁には、「黒き雨」「闇に誘う狂気」「ネムラの獅子」という言葉が、至る所にカーラス審問官自身の血によって記されていました。
その後、調査団がシルヴァネイ村を訪れた時には、村人は誰一人として残っていませんでした。
ただカースラス審問官が証言で語った儀式場には、犠牲者となった19名の衣服と身体の一部が残されていました。
【対処】
詩編によると、この妖異は呪文によって召喚され、また呪いの言葉によって退散させられると記述されています。
その呪文は詩編の中で次のように記されています。
オーラム・ネクサス・ネムラ
ただ、これが召喚するためのものなのか、退散させるためのものかについては、詩編の中では語られていません。
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