お風呂あがり

黒木裕一

お風呂あがり

シャンプーを手に取り 泡立てる

いろんな大きさの泡はキラキラ

窓からのぞく星空に呼応するように

膨らんで消える

焦点の合わない目で見やった先には

ぼんやりと無骨さを感じさせる壁があった



水滴が天井に張り付き 落下する

いろんな大きさの水滴はキラキラ

窓からのぞく星空に呼応するように

膨らんで落ちる

焦点の合わない目で見やった先には

ぼんやりと無骨さを感じさせる壁があった



扉を開けてマットを濡らす

ドライヤーのコードをのばして 水滴を吹き飛ばす

焦点の合わない目で鏡を見やった

ぼんやりと無骨さを感じさせる顔があった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お風呂あがり 黒木裕一 @yuuichi_write

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る