第4話 用済み

書類は簡単に盗めた。


撃つ必要も無く、欠伸をしても許されるほどだ。


そして、その時は来た。


部屋の扉を開けたおっさんがそこに居た。


「ん?あんたは誰だ?ああ、今さっき守ってくれた人?」


「ええ」


「おお!!まさか会えるとは!?実を言うと礼がしたかったんだ!ささ!そこの椅子に座って!」


立ったままソイツを見る。


コイツが…コイツが私の兄を殺した奴…


母を狂わせ、父を犯人に仕立て上げ、兄を殺した奴…


「ん?どうした?」


変態め…お前みたいのは私の手で殺す!


自らの手を汚さず裏から回すような輩は私の敵ッ!!


「ッ!?コイツ…!」


逃さない。


「グワァ!あ、足ガァ!?」


逃がすものか…


「助けろ…助けろ…助けろ…ッ!?く、来るな!」


拒否られたか…


なら、もうオマエは用済みだ。この世界の歯車の形を少し整えてやろう。


「不良品はこうやって取り替えるのはオマエから教わったんだ。感謝するよ、Mr.マイケル」
























ああ、良いな。


「………終わった」


『おうお疲れ様』


銃が手から落ちて暴発した。


壁に穴が空いた。


『いや〜、お客様を殺されると評判に関わってね?申し訳ないね〜。契約更新のお時間だ』


ドアを蹴っ飛ばしてガーディアンが出てきた。


『ま、そうゆう事で。何か残したい言葉は?』


「………」


彼女は無言で首を横に振った。


「取り替えるべき時に取り替えたほうが故障が少ない…そうだろう?」


『ふむ…残念だ』


言葉の代わりに私が言った事を言ってきた。


ちょっと残念だ。最後の言葉ほど本音な物は無いと思うが…


『ほんじゃ、死んでくれ』


そう言い俺は通信を切った。


どこかで重い音が響いた気がした…

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