輝劇、第三幕(中編)
「
「赤、さっきの渦巻き、もう少し大きいのを頼めるかい?」「…なんかする気か?」「いいから見てな。」「ちっ…」言われた通り赤はウォーターチェーンソーを一振りし、先ほどよりも一回り大きい水流を発生させた。そこに緑が一手間加える。
「
「…ちいと心がざわざわしてたからね、やっと収まったよ。」胸を撫で下ろしながら緑が呟く。「…最初からこうすりゃ良かったんじゃねぇか?」腰に片手を当てた赤が
光の残光と
黒奈はその攻撃を避け、カウンターを仕掛けようとする…瞬間、彼女は特殊な
一方、焔と血染の人影は間髪を入れず、
そして
(…なんで…)戦いの最中、光の脳裏には今まで自分が戦ってきた者達の顔が絶え間なく浮かんでくる。
(…どうしてみんな…そんな辛そうな顔をしてるの…?)傷の痛みに苦悶の表情を浮かべる者、自身の無力さに打ちのめされている者の目に喜びや楽しさなど微塵もない…最後に浮かんだ、光に対し憎しみの表情を浮かべているのは…真白だ。
(僕は…僕はただ、みんなに元気になってほしいだけなのに…座長が僕を救ってくれたように…誰かを明るくしたいだけなのに………かつての私みたいな思いを…してほしくないだけなのに!!!)その為に彼女は今まで動いてきた、それなのに思い出されるのは、彼女が理想とする活気、幸福とは対極的な、苦悩、絶望、そして…憎悪。
「ふいー…やっと片付いた…」目の前で霧散してゆく残光を前にし、腰に手を当てる黄。「黄さん、無事ですか?」そこに青が駆けてくる。「お、そっちも大丈夫だったみたいっすね!赤さん達も既に残光達を倒したみたいですし、あとは…」「真白さん達だけですね…」二人は少し離れたところで戦っている真白に目をやる。
「光と影…相反するものでありながら、本質的には同じものなのでしょうか…」「あぁ、黒さんの技…まさか影があんな風になるなんて驚きっすよ……まぁひょっとしたら、あれこそがあたしらの本当の気持ちなのかもしれませんけど。」「わたくし達の?」聞き返す青。
「本来実体のない影に、実体を与えてすら
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