TVシリーズアニメとアニメ映画
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アニメ化というとほとんどの方が思い浮かべるのは「TVシリーズ」ではないかと思います。
1話30分×12本くらいで3ヵ月かけてTV放送するやつですね。
いわゆるファンタジージャンルの小説のアニメ化はほとんどTVシリーズです。
TVシリーズで人気が出たら「SAO」や「ノーゲーム・ノーライフ」のように映画化されますが……まあ、ごく一部です。
さらにごく一部の大ヒット青春小説がアニメ化されたりしますが、実写化の方が圧倒的に多いですよね。「君の膵臓をたべたい」のように実写映画&アニメ映画みたいなケースはなかなかありません。
ではなぜTVシリーズアニメにはなるのに、アニメ映画にはなりにくいのでしょう?
これは1話目の「アニメ化したくなる原作を教えます【2022年版】」にも通じるところなのですが、ビジネスモデルに原因があります。
TVシリーズアニメの収入源は先にも説明したとおり【海外ライセンス販売】なのですが、アニメ映画は【興行収入】が主な収入源となります。
もちろんアニメ映画も
・DVD/Blu-ray
・グッズ
・タイアップ
などの収入が発生しますが、TVシリーズアニメよりも微々たるものとなるため興行収入が全てと考えて差し支えありません。
ちなみにどうしてTVシリーズアニメよりも微々たる収入になるのか、と言いますとアニメ映画はお金を払わないと観ることが出来ないからです。
観てもいない作品のグッズとか買います?
買わないですよね、っていうか劇場以外で売ってましたっけ? みたいな。
観てもいない作品のDVD/Blu-rayとか定価で買います?
少なくともロードショーとかのテレビ放送を待ってから検討しますよね。
TVシリーズアニメは原則としてTVさえあれば観ることができます。
昔は地方だと放送していない問題などもありましたが、今はBSでの放送も充実しており、ほぼ日本全国で見られるはずです。
インターネットがあればTVerという選択肢もあるでしょう。
どちらにせよ基本無料で楽しめるので、作品の広がりが映画の比では無いのです。
おっと、どうして【動画配信】を入れていないんだ?
そんなに希少性が高いんだったらなら需要があるってことなんじゃないか?
って思った人はいますか?
とても良い目線です。
ただ、希少性が高いだけでは商品は売れないですよね。
希少性が高くて注目度も高いから商品が高く売れるのです。
その注目度とは?
となりますと結局アニメ映画にしても興行収入が見込めるくらい人気がある作品ってことになります。
超人気作品のアニメ映画については限定配信にすることでプラットフォームが高額のMGで買い取ってくれることがあるとかないとか。
でもそれって、興行収入でも十分に回収が見込めるレベルの作品じゃないとって話なのでなにも解決していないんですよね。
それともうひとつ。
動画配信サービスは月額制なんです。
月額制ってことは、入会したユーザーには次の月まで残っていて欲しいんです。
そんなとき、TVシリーズを第1話から追っていくとしたら3ヵ月ほど入会していなくてはなりませんが、アニメ映画だと1回観たら終了、はい退会。となってしまいがちです。
今、これを読んでいるあなたも、似たようなことはやった経験があるのでは?
海外ライセンス販売も、海外で動画配信やグッズが売れるかどうかで値が付くので、アニメ映画はどうしても値が付きにくい傾向にあります。
そういうわけで、結局のところ興行収入で数億円を稼げるような作品じゃないとダメなんです。
数億円っていくらかって?
あくまで一般論ですが製作費(アニメの制作費と宣伝費等を全て含んだもの)の倍以上の売上があってようやくプラマイゼロと言われています。
アニメ映画は劇場が持っていく費用もあるので仕方ないですね。
2時間のアニメ映画を2億円で作ったら、5億円くらい売上が欲しいのです。
チケットの平均売上ですが映倫調べ(http://www.eiren.org/toukei/)によると令和3年が1,410円、令和2年が1,350円とのこと。
ざっくり1400円ってところですかね。
それで5億円の売上を立てようと思ったら……約36万人!!
延べ人数で約36万人に映画を見て貰わなければならないわけです。
え!? ヤバくないですか?
そりゃあアニメ映画化なんてしてもらえないわけです。
でも実写映画化ならタレントパワーでなんとかなりそうな数って気もする。
今ならあれでしょ? なにわ男子を主演にすればゴホンゴホン。
今回はこの辺にしておきましょう。
それでは皆様、良い創作活動を。
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最後までお読み頂きありがとうございました。
アニメビジネスに関する「これなんで?」な質問などありましたら、コメント欄にお書きください。
答えられる範囲でお答えします。
長くなりそうなときは、次話を追加します。
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