爆発人間

@kouki1229

第1話 人は爆発する

この世界は爆弾がある、そしてその爆弾には時限装置がある。そのからくりは人でもあるらしい。時間が経つと人も爆発し、消滅する。人はそんな世界を生きている。


「はあぁぁぁ」

公園で大きなため息をつく神田龍(かんだりゅう)は今日を生きるのに一生懸命だった。

彼は高校1年生になったが、勉強をする意味を考えては現実逃避を繰り返していた。

すれ違う人や、アナウンサー、友達、両親達の頭上には数字が浮かんでいる。神田にも数字はある。でも人はその数字の存在理由を知らない。誰も追求しないから、いや、出来ないからだ。

数字が0になると、不吉な事がおこる、そう言われてるが誰もそうなった後を知らない。

「ボァン!!」

欠伸をしながら空を眺めていた神田にも爆発音は聞こえた。

「なっ、何だ!?」

近づいていくと、自販機1台が入るスペースで燃えている。炎が立っている。神田はこんな事故現場?を見たことはきっとない。

周りに人だかりが出来てきた。炎も小さくなってきて、5分程度したら火は鎮火した。

周りの人達も、神田も謎の事故現場を立ち去る。そこにいた意味はない、そう言わんばかりの顔で皆立ち去っていく。神田も帰路に振り返った時は今日の晩御飯のことを考えていただろう。

人が爆発することは誰も知らない。自分の大切な人が爆発しても誰も覚えていられない。




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